コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 美少女、みつけました。 2500突破オメデトウ。 ( No.250 )
- 日時: 2013/12/15 20:05
- 名前: 乙川暮愛 (ID: G1JcBOCg)
3章 唐突に現れた恋。
「さて、と。んー...」
すっきりとした気分で、次の日、部室へと足を運ぶ。
わたしはまだ、日向が好きだ。
昨日の今日で完璧に吹っ切れるわけではない。
もしかしたら、今からでも気持ちをつたえれば...という甘い期待がないわけではない。
でも、そんな妄想の世界にこもっていては、なにも始まらないじゃない。
「...はい、これが報告書。」
途中に会った、結華さんに報告書を渡す。
「おお、サンキュサンキュっ!ふんふん...」
興味深そうに結華さんは書類に目を通すと、納得げな表情だった。
「さっきさ、」
「え?」
「日向に、告白されてんのを見たんだよね。」
そっか......わたしは少し緊張した。
そう、ということは、もうつき合っているってわけかぁ...。
「まあ、普通に断ってたけどなー。」
「やっぱりですかー...ってえ!?」
ちょっと、色々と衝撃的すぎた。
「瀬菜、素直じゃないかんなっ!」
豪快に笑う結華さんは、全くの疑問を持っていない様子だった。こ、断るって...両思いで断るって、アリなのかしら...。
「まあ、とりあえず問題ない相手だってゆーのが分かった訳だし、あたしが何か言う程のことじゃねーな。かーぁっ!ガラにもなく心配するのって疲れんなーっ!ま、サンキュっ。」
そういって手を振って、結華さんはいなくなった。
まあ、もうわたしには関係ないことだからね。
そう思いつつ部室へとたどり着く。
部室のドアをあけると、そこには、玲がいた。
「玲、おつかれー。早かったわねー!」
そういうと、彼に笑いかける。
後ろを向いていた玲がびくっ、と震える。
「?...どうしたの?」
不思議そうに首を傾げると、玲は呟いた。
「......昨日は、ごめん。」
「昨日?なにかあったかしら?」
なにを言っているのか、わたしはある程度は想像がついていた。
けど、とぼけた。もしかしたら、玲にはこの気持ちを悟られたくなかったのかもしれない。
「......昨日...伝えた後...本当は、珠洲が泣いているのを見てた。」
「...?...情けないとこ見せちゃったね...いや、別にそれくらい大丈夫だよー、こっちこそ、ごめんね?気をかけさせちゃってさ...。」
そこまで、答えると、わたしの言葉を遮るように玲はぽつん、と声をもらしちゃった。
「.......珠洲の、失恋を喜んでしまった....情けなくって、いやになる...ごめん。」
その言葉に、何故か胸が高鳴った。