コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 美少女、みつけました。 2500突破オメデトウ。 ( No.252 )
- 日時: 2013/12/16 20:11
- 名前: 乙川暮愛 (ID: G1JcBOCg)
- 参照: この後第7話は過去編を少しやりますー。
「...玲?ねえ、それってどういう意味.......」
すぐ近くにまでその身軽な身体を動かして詰め寄る玲。
「......珠洲。俺は.......」
一度そこで口をつぐむ。
今思うと、もしかして、玲は、自分で覚悟を決めるために間を置いたのだと思う。
「......俺は、珠洲が、好きだよ。」
「...ッ!」
「......珠洲の、その優しげな笑顔も。そんな鈍感なところも。新聞に向けるひたむきな愛も。小さい時から、こんな俺と遊んでくれて、俺と......。」
その言葉の一つ一つは、いつもの冷静な玲の声なのに、それなのに、熱があって。
「......一緒にいてくれた珠洲が、大好きだよ。」
どうしてだろう、その玲の表情は、真剣で、怖いくらいに気迫があった。なのに、わたしは彼のその表情に、何故か安心してしまった。
「...クスクス。」
「......っ!珠洲、俺は本気...!」
「...なんなのよ、もう。あんなに小さくて、ほとんどの人に気付かれないくらい存在感が薄くて、わたしに今までずっとくっついてきて、遅くなるからっていう、わたしの言葉を無視して待ち続けるし、全く、玲には......」
「......珠洲...」
わたしの言葉の連発にしゅん、とした様子で黙り込む。
「...呆れるわね。」
わたしは、いつのまにか大きくなっていた、玲に向き合う。
「そんな玲だから、気になっちゃうのよねぇ...。」
玲のその言葉は、今のわたしには心にしみて。
玲のその表情は、昔のあの時にはまだ分からなかった、格好よさがあって。
玲のその身長は、いつのまにかわたしの背をこしていて。
玲のその身体は、昔なんかと比べ物にならない程、強くなっていて。
玲は...もう、昔の“トモダチ”じゃないんだって、ようやく分かっちゃって。
でも.......。
玲のその大人びたその姿は、昔のあの姿と、何処か重なって、暖かくって。
「.......馬鹿だよ、玲。バカバカバカバカ。...玲は、馬鹿だよ...。」
「.......俺は馬鹿じゃない...。」
「...玲、帰ろう?」
そういうと、鞄を肩にかけ、玲に手を差し伸べた。
______________今日からはまた、手をつないで、帰ろっか。