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Re: ——恋心綴ります(実話) ( No.11 )
日時: 2012/04/29 01:40
名前: 結縁 ◆J6BQu6v9vI (ID: fWT6tl0Y)

電話で話してから数日がたった。
だけど、その日からcacao.さんがチャットに来ることはなくて、4月も終わり、もう、5月に入ってから数日が経過していた。

cacao.さんが現れない間も私は時間があるとチャットに訪れ、他の入室者の人と話したりしながら来てくれるのを待っていた。
けど、日が経つ度に次は何時話せるのだろうか? という不安がどうしても押し寄せてくる。
別に、cacao.さんの方は私のことなんて何とも思ってないかもしれないのにね。
そこまで考えて何だか急激に寂しくなり、考えるのをやめた。

夜の11時過ぎ頃、チャットでの会話も一段落して、私は一度チャットを落ちて、お風呂に入ることにした。
お風呂からあがったときには、もう12時を過ぎていてちょっと長く入りすぎたかな? と思った。
髪をタオルで拭いて水分を拭うとようやく一息つく。
何か飲み物を飲もうかと冷蔵庫の方へ行こうとした時だった。

ブブブッ……

机の上に置いてあった携帯が鳴り始めたのは。
メールかな? と思い携帯を手に取る。そうして、誰からか確認したとき心臓が跳ね上がった。
表示画面にはこう出ていた。

cacao.さんから着信です。

そう、数日前に電話で話した相手の名前が表示されているのだから……驚かないはずがなかった。

「いきなりすぎるし、ど、どうしよう!?」

私はと言えば、もちろん、当然のごとくパニック状態で。
でも、何時切れてしまうか分からない電話。
緊張しながらも、切れてしまう前に、と、私は電話にでた。

『も、もしもし?』

おそる、おそる、耳元に携帯を近づけて聞いてみる。
数秒の間のうちに、返事が返ってきた。

『もしもし、出ないかと思ったが、出てくれたようで何よりだ』

聞こえてきた声に緊張するけど、それでも、嬉しさの方が勝っていた。

『えっと……な、何か用でしたか?』

ドキドキの止まない胸を押さえながら、若干早口で私は問いただした。
……話せたのは嬉しいけど、あまりにも突然すぎて、私には心の準備が出来ていなかったんだ。

『あぁ、そうだ。実はスカイプのアカウントを登録したんだが、今一使い方が分かっていなくてね。
 君もやっているとの事だったから、よかったら、スカイプで話さないか、と思ってな』

はい? 今、何て仰りましたか?
スカイプを始めた……? 誰が? cacao.さんが?
それで、誰と話したいって? 私と……?
急に電話がかかってきたという事だけでも私の緊張は限界まできていたのに。
……この人は更なる追い討ちをかけてきたんだ。……本当に敵わない。こっちの気も知らないでっ!
そんなことを、ぐるぐると考えながらも口だけは動いていた。

『え、ちょ、ちょっと待って下さい。
 つまり、cacao.さんがスカイプを始めて、その話し相手に私がってことですか?』

頭の中を整理しながらも聞くと

『そういうことだな。しかし、追加する方法が分からなくてな。
 こっちがIDを教えるから、翡翠君の方で追加してくれないか?』
『ちょ、ちょっと待って下さいね。大体、分かりましたけど、メモするものを用意するので……』

そう言って、その辺にあったペンとティッシュ箱を手にとり、話の続きを聞くことにする。
正直、頭は混乱したままだったけど、それも今は気にしないことにした。

『えと、それじゃあ、メモするので、言って下さい』
『うむ』

こうして、cacao.さんのスカイプのIDを聞いた後、電話で話すのは終了した。

「はうぅ……」

電話を終えた後、私は力なく崩れ落ちた。
だってだって、突然かかってくるし、内容はスカイプのことだし……。
もう、嬉しすぎて意味が分からないよ……。

そんな風に思った後、すぐにパソコンをつけて、早速メモしたIDを打ち込み、コンタクト追加申請をすることにした。
そこまで、終えても、未だ胸の高鳴りと熱は引いてくれず、コンタクトが追加されるのを待つことにした。
……待つ、と、言ったけど、数分もかからない内に追加されていて、色々と準備が出来ていなかった私は文字通り、焦ることになる。