コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ——恋心綴ります(実話) ( No.12 )
日時: 2012/05/03 13:43
名前: 結縁 ◆J6BQu6v9vI (ID: yYOy5xHl)

電話を終えた後、ドタバタしながらもスカイプで早速、通話することになったんだけど……。

cacao.:『ふむ、こんなカンジか』
結縁:こんな感じですね。

見ての通り、私はチャット、cacao.さんは喋るといった状況。
それというのも理由がある。まず、あまりに通話することになったのが突然だったこと。
そして、もう一つは、私の方が、マイクがなくて、内臓マイク(つまり、パソコン内に入ってるマイク)のため、雑音が酷く、声が聞き取りづらいことにあった。

cacao.:『さっき話した時って結構すらすら喋ってたけど、なぜだ』

話し出して数分、そんなことを聞かれた。
私としては、突然の電話でかなり混乱してて早口で喋ってただけなんだけど……。
どう答えたものかと、考えながらも文字を打った。

結縁:そんなに話してました?
cacao.:『少なくともこの前の電話のときよりかは話してた様に思えるが』
結縁:うーん、そんなことないですよ。気のせいです。それよりも……

と、こんな短いやり取りの中、内心かなりドキドキしながらも、何とか話題を逸らすことが出来た。
逸らして話し出した話題は、私の友達とのことだった。
友達と言っても、実際に会ったことある友達ではなく、ネット内で仲良くなった子との話だった。
実は、その女の子には少しだけ、cacao.さんへの私の気持ちとかを話したりしていて……所謂、相談役だった。

caao.:『それで、何だ、知りたいのか?』

……驚いた。
正直、そうくるとは思わなかったから。
今、話してたのはその友達と話してたことについてで、本名についてだった。
それで、cacao.さんが尋ねてきてるのは、自分の本名を知りたいのかってことで……。

結縁:それは……教えてくれるなら、知りたいですよ

思ったままのことを伝えた。
教えてくれるなら、気になるし、もちろん知りたい。

cacao.:『教えてもいいぞ。ただし、お前も言うんだぞ?』
結縁:やっぱり、そうなりますよね;
cacao.:『当然だ。じゃあ、言うから……』

そこまで一気に話が進んで驚き反面に思ったことがあったから、遮る様にしてチャットに打ち出した。

結縁:あの、教えるのは良いんですが、口で言われると聞き取れない場合とか、
   漢字が分からないので、チャットにそれぞれ書きませんか?

そう、提案するとそれもそうだなと、cacao.さんも同意してくれた。
そうして、それぞれに、チャット画面に自分の名前を書いていく。
最初に書き終えたのはcacao.さんの方だった。

cacao.: 私の名前は……河神達信〝かわかみ たつのぶ〟という
結縁: えーと、山蔭美穂・やまかげみほです

二人とも書き終えて、画面に映る名前を見た。

「……河神達信さん……」

ボソリと声に出して呟いてみる。
何というか、普段、誰かの名前を言ったりすることが少ないせいもあって、緊張した。

cacao.:『どっちも、呼びづらい名前だな』

cacao.さんの感想に対して私はただ一言

結縁:呼ばないんですから、問題ないです

とだけ返した。
そう、確かに知りたかった。
だけど、それと名前を呼び合ったりするのは話が別だ。
恥ずかしいし……何か落ち着かないから絶対しない!

と、暫く、話題は尽きることなくあって、私は親友の話をしたり、小説の話をしたりして楽しい時間が過ぎていった。まぁ、途中から、接続が悪くなって、チャットで喋るのに切り替えたりはしたけど。
話が少し途切れたときだった。
父親が仕事の準備に部屋のほうに来たのは……。

結縁:あ、父親来た……。
cacao.:む、もうそんな時間か! 若干しゃべりすぎたかもしれんな!

そう言われて、時刻を確認する。
もう、4時半前だった。話してるのが楽しくて全然気付かなかった。

結縁:でも、楽しいですよ
cacao.:うむ。それはまぁ私は口がうまいからな
結縁: というか、チャットだと、口調若干違いますよね?
cacao.:癖だからな! 君の敬語のようなものだ。若干というか大分違う
結縁:それもそうかも(笑)

そこまで打って、通話のときの口調とチャットの口調を比べてみる。
うん、面白いくらいに違うと思った。
でも、私の敬語みたいなものかー……。分かりやすい例えのようなそうじゃないような……。
むむー。唸りながらもcacao.さんからの返事を待った。

cacao.:うむ。 というか、今の口調で言った場合、文章だけだと逆に
   「怒ってるみたい」とか思われてしまう事もあるので、やめているのだ
結縁:なるほど……。

うーん、cacao.さんも色々と考えてるんだな。
初めて話したときから悩みの多そうな人だとはちょっと思ってたけど。

その会話の後、少しの間をおいて、cacao.さんがまたもや、心臓に悪い発言をさらりとしてくれた。

cacao.: ……まぁしかし、あれだぞ? 君だけにうまい事を言っているというのは、
    間違ってはいないかもしれんぞ。スカイプも、君と会話する為だけに始めたのだからな

……この人は自分が恥ずかしい台詞を言っている自覚がないのだろうか?
その何気ない言葉の数々に私の心臓は何時もドキドキしっぱなしだというのに。

結縁:まぁ、何かと便利ですよ、スカイプ(笑)

平静を装うのが精一杯というのが何とも情けなかった。
と、ここで、やめていれば良かったのに、私は馬鹿だから通話を再開させてしまった。
もちろん今度は私も喋る側で……。
どうして、こんな風に言うのかというと、妹が起きてきて乱入してきたからである。
……一応説明すると、私には5歳離れた妹が一人いる。名前は由香。仲は悪い。

結縁:はぁ……。

妹の乱入後、再びチャットに戻った私のテンションは落ちまくっていた。
何故かって? そんなの決まってる。
cacao.さんに何時もの口調である……俺口調を聞かれたから。
妹の前で敬語で喋るなんて世界が滅びても出来ない。笑われ気味悪がられるのが落ちだから。

cacao.:ああ……翡翠のテンションが……
結縁:ん? 何です?^^
cacao.:私としては、君の新たな一面が見れたので、よしとする
結縁: むむむ、むです。
cacao.:フフフフ、まぁ、単に恥ずかしい、という事だろう。あれだ、これが一線を超えたってヤツか
結縁:ななな……いきなり何を
cacao.: 事態はいつも予想外なものだな

私からしたら、貴方の発言もかなり予想外なんですけどね!!!
何だか、色んなことが一度に起こりすぎてとても疲れていた。
それから、また少し話していて……空気に流されたのか言ってしまった。

結縁:cacao.さん、大好きです// 何だか言いたくなったのでいっちゃいました

うん、恥ずかしい、恥ずかしいけど、言いたくなったんだもん……。
それに、好きだから妹に妨害されて拗ねてたわけだし。

cacao.:む、珍しいというか、初めてじゃないか? お前の方が好きって言ってきたの
結縁:そうでしたっけ…?
cacao.:そのはずだ
結縁:そう、はっきり言われると恥ずかしいんですけども……
cacao.:元々、両思いなんだから、その必要はないんだがな

そう、一応、両思いなんだけど、今一実感がわかないというか。
cacao.さんが本当に好きでいてくれてるのか、不安なんだよね。
……俺口調で喋ってても引かれなかったのは救いだけど。

結縁:あはは。ん、結局朝まで話してたなぁ
cacao.:そうだな。今日の夜は程々目標でいくぞ!
結縁:そうだねー。えーと、おやすみなさい
cacao.:うむ、おやすみ。また夜にな
結縁:また夜にー

そうして、お開きとなった。
口調、一回目のスカイプでもうバレるとは正直思わなかった。
でも、ずっと敬語は正直無理があったし、これはこれでよかったのかも。
うん、普段の俺でいいんだよね!

何か、元気でたし、朝の9時過ぎだけど、寝ようっと。
今日の夜も沢山、話せると良いな。
今夜話したことを思い出しながら俺は深い眠りについた。