コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ——恋心綴ります(実話) ( No.3 )
- 日時: 2012/04/08 22:07
- 名前: 結縁 ◆J6BQu6v9vI (ID: enKf/rbe)
第一話【二人の再会】
「……今日はもう、落ちちゃおうかな」
時間をチラリと確認してそんな風に思った。
現在、午前2時過ぎ、真夜中だ。
そんな時間に何をしているのかと言われるとチャットで人を待っているというのが妥当だろう。
私はある一人の人物をcacao.さんを待っている。
cacao.さんとの唯一の繋がりのあるこのチャットで。
“結縁”という新たな名前で。何時来るかも分からない人をただ待っていた。
これから話すのは、そう、今から数ヶ月くらい前のこと。
私達二人が出逢った時、私には他に大好きな人がいた。
そして、cacao.さんは、そんな私にとって初めて話した時から相談役だった。
相談にのってくれていたことにどれだけ私が救われていたか、感謝していたか分からないほどcacao.さんの存在も当時好きだった相手と同じくらい……もしかしたらそれ以上に大きくなっていた。
だけど、そんな日々は、長くは続かなくて……。
ある日、ある言葉を残してcacao.さんは、私の前から姿を消した。
最後に残した言葉はこの一言だった。
cacao.:私達は恋人同士ではないんだよな?
チャットの画面に映し出された言葉に、私は咄嗟に
翡翠:違いますよ。
と返してた。
その時はまた、からかわれているんだと思ってたから。
だけど、それだけじゃなくて、内心にあったドキドキした気持ちを隠したかっただけなのかもしれなかった。
言い訳にしか聞こえないかも知れないけど、この時の私はcacao.さんの性別さえ知らなかったんだから……。
そういう事もあって、一言、違いますとしか言えなかったのかもしれない。
そんな事があってから、姿を消したcacao.さんだったけど、私にとってcacao.さんが姿を消してからの数ヶ月の間に色んなことがあった。
例えば、そう、当時、大好きだった彼とお別れしたり、ね。
まぁ、元々片思いだったんだけど。
その時は苦しくて辛くて沢山泣いたけど、今となっては、思い出の一つだったりするから、人生分からないよね。思い出すと、少しだけ胸は苦しくなるけど……。
そして、話を戻すと、失恋してから数週間の間でcacao.さんに惹かれていた自分に気がついた。
これが、私が初めてcacao.さんのことを好きだと自覚した瞬間だった。
自覚してからの私は今、こうして待っているように数ヶ月間ずっとcacao.さんがまた現れる日を信じて待ち続けてた。最初は、もう会えないかもしれないと思って、諦めかけたこともあった。
だけど、そんな私にも機会が巡ってきたの。
私達が出逢ったチャットは小説投稿所の一角にあるもので。
その小説投稿の板で私はcacao.さんの名前を数ヶ月振りに見つけたんだ。
名前を見つけた瞬間、もしかしたら、また話せるかもしれないという思いでいっぱいになって。
嬉しくてドキドキして、私は前より更にチャットに居ることが多くなった。
そうして、今日も待ってたわけだけど、流石に少し眠くなってきた。
そういう事もあって、今日はもう、チャットを落ちようかなと思ったときのこと。
〜〜♪
チャット内に人が入室した時に流れる音がイヤホン越しに響いた。
こんな時間に誰だろうと思い、画面に視線を戻すと、そこには、私が今まで待ち望んでいた名前が表示されていた。
cacao.さんが入室されました。
名前を見た瞬間、様々な思いが全身を駆け巡って……眠気なんて一瞬で吹き飛んでた。