コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ミリオン学園十人十色 ( No.13 )
日時: 2012/04/10 17:22
名前: 77t4 ◆eqNOJ7WetI (ID: acQ6X1OT)

タコの足を食べ終わったテミに、ブルースは聞いてみた。

「あのさ、それプチトマトだよな?青いよな?真っ青だよな?」

「あー、これはですね。うちの庭で採れたプチトマトなんですよ。
珍しいですよね。これバキューンって味がするんですよ」

「それ味を表す言葉じゃなくね?」

ブルースのツッコミにそうですか?と笑顔で返すテミ。
この人の味覚にはついていけない、とブルースは思った。


「今から、お昼の放送を始めます」

天井に取り付けられたスピーカーからBGMと共に、
校内放送の始まりを告げる挨拶が聞こえてきた。

「今日の曲は、2年生からのリクエストです。
ミリオンズの、 『寝て起きたら夜だった』です」

♪午後4時に ふいに眠気に襲われる

そして僕は そのまま目をつぶった

ちょうどいい温度だったんだ

暑くなくて 寒くもない

何者にも代えがたい この心地よさ

宿題が出来なかったのは 仕方なかったんだ

午後10時に ふいに目が覚める

そして僕は 時計を見て驚いた

こんなに寝るつもりは無かったんだ

ご飯を食べて お風呂に入って

気が付くと 午後11時半だった

暑くなくて 寒くもない

何者にも代えがたい あの心地よさ

宿題が出来なかったのは 仕方ないよね

宿題が出来なかったのは 仕方ないよね


「なんつー歌だよ!!経験あるけど!!」

ブルースは堪えきれずにツッコむ。

「でもさー、なんか親近感わくよね」

マゼンダの意見に皆はうなずく。

「つーか売れてんの?この曲」

「昨日ランキング120位だったよ」

リンの答えにブルースは売れてねーし!と驚く。

「今日の放送はこれで終わりです、ありがとうございました」

本日の校内放送は、これで幕を閉じた。

休憩 えんど。(続いて第三話に続きます。)

Re: ミリオン学園十人十色 ( No.14 )
日時: 2012/04/11 07:11
名前: 77t4 ◆eqNOJ7WetI (ID: acQ6X1OT)

昼休みは終わり、各々は机を元の位置に戻した。
そして次の授業、英語の準備をし始めた。

「ジルバー、お前の兜で目玉焼き焼けたりしねーの?」

「しねーよ!夏は少し焼けるかもしれねーけど」

「マジ?じゃあ夏焼かせろよな」

「イヤ、無理だぞ?俺、夏は鎧着ねーし」

ジルバの言葉にブロントはかなりビックリした表情で後ずさる。

「・・・マジで?鎧脱ぐのか」

「イヤ、だって暑すぎて死ぬだろ」

「じゃあ夏になればお前の正体が・・・!」

夏楽しみすぎるぞー!早く来い、とブロントははしゃぐ。

その時、ふいに教室のドアが開いた。
まだ授業が始まる5分前にも関わらず。

「えーと、少し早いですけど事情があって早くはじめまーす」

入ってきた先生は、薄い青色の長い髪を持った、
物腰柔らかそうな先生だった。

起立、礼、着席、とブロントは委員長の仕事を初めてこなす。

「えーと、自己紹介からいきますね。
私は英語担当のルファです。よろしくお願いします」

パチパチと拍手が起こる。

「さて、今日なぜ早く始めたかと言うと、
緊急のお知らせがあるからです」

教室はざわつく。

「今日の午前中に、ある先生がが不審者によって怪我を負いました。
幸い命には別状は無いそうです、が」

ざわついていた教室は静まる。

「不審者がまだ校内に潜んでいるらしいです。
その先生によれば、赤い服を着ていて、かなり力があり、
『ミッションはこなした』と恐ろしい表情でつぶやいていたそうです」

ミッション?この学校狙われてるのか?ヤバいんじゃない?警察は?

教室は再びざわめきだす。皆不安を隠せない。

「警察の方には連絡を入れています。
あと、これから緊急の会議があるので、皆さんはここで待機していてください。
あ、教室のドア、そしてベランダや窓の鍵は閉めておいてください」

そう言うとルファは教室を後にした。
残されたクラスメイト達は、とりあえずドアの鍵をしめ、窓を閉め切った。

「・・・大丈夫なんでしょうか」

心配そうな表情のテミ。

「とりあえずホウキとか持って武装しといたほうがいいんじゃねえの?」

「いいわね、それ。なんかRPGみたい」

乗り気なマゼンダ。そしてホウキを掃除用具入れから持って来るブロント。
こうしてクラスメイトはホウキを装備することになった。

———約1名を除いて。

「ほい、これブルースの分な」

そう言われて、ブルースが委員長から渡されたのは、
ちりとりとゴミ箱のフタだった。

Re: ミリオン学園十人十色 ( No.15 )
日時: 2012/04/11 19:59
名前: 77t4 ◆eqNOJ7WetI (ID: acQ6X1OT)

「いや、俺ホウキとちりとりの区別ぐらいつくから」

ちりとりでペシッとブロントの頭を叩くブルース。

「いや、ゴメン。あのさ、ホウキ7本しかなかった。
でもさ、このゴミ箱のフタ盾みてーじゃん?」

うるせーよ!ゴメンブルース!何これ超カッコ悪い装備じゃん!いやいやカッコイイって。黙れ!

「あのさー、学園防衛隊からの要望があるんだけどいい?」

マゼンダの意見に、言い争いを一時中断する2人。

「犯人見つけに行かない?暇だし」

ニヤっと笑うマゼンダ。

「え、でも危険じゃね?相手かなり強いみたいだし」

「心配ないよブルース!最終兵器あるから!」

そう言ってリンが指さしたのは、ジルバだった。
ジルバはええ俺!?、とビックリしている。恐らく打ち合わせも何もなかったのだろう。

「コイツならどんな攻撃でも跳ね返せる」

クロウはジルバを指差す。
だが、ブロントは何故かダメだ、と首を振った。
何でー?、とティンクが聞くと、ブロントは言った。

「いや、犯人は赤い服なんだろ?見るからに炎属性じゃん?
俺さ、ジルバが魔法攻撃にめっちゃ弱いような気がするんだよ。なんとなく」

「いや、赤い服イコール炎属性って・・・」

ゲームのやりすぎだろ、とブルースは思った。

「まあでも集団で行けば1人が相手なんだし負けることはないだろ」

集団戦法で行く気のブロント。

「でも8人全員で動くと目立つと思います隊長」

テミの言葉にあー確かに、と納得するマゼンダ。

「じゃあ学園防衛隊とその他で分かれようよ」

こうしてティンクの提案で、学園防衛隊とその他の人々に分かれて犯人探しをすることになった。

Re: ミリオン学園十人十色【コメ求む!】 ( No.16 )
日時: 2012/04/12 17:41
名前: 77t4 ◆eqNOJ7WetI (ID: acQ6X1OT)

「じゃ、私達は1階、っていうかこの階を調べるね。終わったら一旦ここに戻ってくるから」

そう言うと学園防衛隊隊長はメンバーと共に教室を後にした。

「つーかホントに・・・ってブロント?」

ブルースはビックリした。
ブロントが何やら真剣な表情で考え込んでいる。
普段のゆるみきった表情からは考えられない。

「おーいブロント、どーした?」

ジルバが声をかけると、
ブロントは真剣な表情のまま、俺達のチーム名何にする?と聞いてきた。

「お前そんなことでそんな真剣に考えてたのかよ!
ちょっと心配したじゃねーか」

ブルースはベシベシとちりとりでブロントを叩く。

「学園防衛隊とかカッコいい名前付けられたらさー、なんか悔しくね?」

ブロントはいつもの表情で口をとがらせる。

「じゃーもう適当に決めろよそんなもん」

ブルースが投げやりな感じでそう言うと、
ブロントはしばらく考え、そしてこう言った。

「ミッション野郎を倒し隊ってどうだ?」

「却下」

ブロント以外の全員の声がハモる。

「えええ!?どこが却下なんだよ」

「全部だよ。つーかミッション野郎ってなんだよ」

「その犯人の仮名だよ仮名。だってミッションがどうたらって言ってたんだろ?」

「お前のネーミング微妙なんだけど」

「なあ、俺にいい案があるんだが」

手を挙げてそう言うクロウ。
何だ?とブロントが言うと、クロウは言った。

「フタで防ぐぜ!ちりとり隊ってのは?」

「おい、それ俺のことか?俺のことだろ」

「別にお前のことだとは言ってないぞブルース」

しらばっくれるクロウ。
ブルースを指差して笑うブロント。
ブルースはブロントの頭をつかむと、ジルバの鎧にガツンとぶつけた。
ちょ、鎧は凶器じゃねーよやめろと珍しくツッコむジルバ。

「いでで・・・容赦ないなお前・・・。
でもちりとり隊でよくね?面白いし。リーダーの座はお前に譲るからさ」

「あー、俺もいいと思うよそれで。
つーか面倒だしそれでよくね?」

投げやりなジルバ。
何となく嫌だったが、彼らを納得できるようなカッコいい名前は思いつかなかったので、
ブルースは、リーダーの座はいらねーからとしぶしぶOKした。

Re: ミリオン学園十人十色【コメ求む!】 ( No.17 )
日時: 2012/04/13 07:14
名前: 77t4 ◆eqNOJ7WetI (ID: acQ6X1OT)

「よし、じゃあこの階をぐるっと1周するわよ」

ブロントがチーム名を考えていたころ、
学園防衛隊隊長マゼンダはメンバーの3人を引き連れて、隣の教室の前を歩いていた。
隣の教室の生徒達が、ホウキをもって武装している彼女らを怪しそうな目で見ていたことにはこの際触れないでおこう。
幸いどの先生も職員室にいたため、怒られることは無かった。
2組、1組、階段と通り過ぎ、廊下を曲がろうとした。
その時、進行方向から声が聞こえた。
その声はだんだん近づいてくる。

「隠れて!」

マゼンダのかけ声で、4人は近くのトイレの個室に隠れて、誰かが通り過ぎるのを待った。

「体育の先生だから見回れってそりゃないっての。
大体私はか弱い女性ですぅー・・・はぁ。
ヤダなー。犯人怖ぇなー」

どうやら校内の見回りを頼まれたようだ。
声はトイレから遠ざかっていった。

ほっと胸をなでおろす4人。だが、この気の緩みがややこしい事態を引き起こしてしまう。

もうそろそろいいかなと個室のドアを開けて、マゼンダはトイレの入り口から外の様子をうかがおうとした。
だがその時、不注意で足元のゴミ箱を蹴ってしまった。
ガタン、と静かな廊下に音が響く。
2、3メートルほど遠ざかっていたその先生は、ビクリと肩を震わせる。

「今の音・・・?」

Uターンしてくる先生。慌ててさっき居た個室に戻る学園防衛隊。
鍵を閉め終わるのと先生が入ってくるのはほぼ同時だった。

・・・ええええ犯人?犯人?マジで?
立ち尽くす先生。微動だにしない。
応援を呼ぶ?いやでもそしたら近くの教室が危ないかも?どうするどうする・・・。
ぐるぐる考えこむ先生。4人は息を殺す。

Re: ミリオン学園十人十色【コメ求む!】 ( No.18 )
日時: 2012/04/13 20:11
名前: 77t4 ◆eqNOJ7WetI (ID: acQ6X1OT)

トイレが緊張感に包まれる少し前。
ちりとり隊は3組の教室から出て行こうとしていた。
一足先に廊下に出たジルバは、1組の教室の向こう、トイレの方に人影を見た。

「おい、誰かトイレに入っていったんだけど」

ジルバの声に、他の3人は慌てて廊下に飛び出す。
3人が廊下に出たころには、人影は見えなくなっていた。

「え、え、どんな奴?」

ブロントが聞くと、なんか赤っぽいジャージだったような・・・?とジルバは言う。

「犯人決定だな。よし、皆隊長に付いて来い」

4人はそれぞれ武器を構えてトイレの方へと進む。

隣の2組や1組の教室を通る時、かなり大勢の視線を感じたのは言うまでも無い。

「なんか一人だけホウキじゃなくてちりとりと・・・ゴミ箱のフタじゃね?」

2組の前を通る途中ボソッと教室からこんな声が聞こえたので、ブルースは顔を赤くした。

1組の教室前で、ちりとり隊は立ち止まった。
トイレは1組の教室のすぐ隣にあるからだ。

「・・・よ、よし。突入するぞ」

ブロントのかけ声で、4人はトイレの入り口前に駈け寄った。
そしてちりとり隊は、犯人らしき人の姿を右側の女子トイレの入り口に見つけた。

「うおわぁぁああ!?」

その人は驚いた表情で振り返る。
緑の髪、そして赤いジャージ。服装は犯人の特徴と一致している。

「なんだ生徒か・・・。お前らさぁ、教室待機って言われなかった?」

4人を睨む赤ジャージ。

「あの、ひょっとして先生・・・ですか?」

ブルースは恐る恐る聞いてみる。

「・・・あぁ、新入生ね。だったら知らないよな。
私はミドリ。体育担当な。
・・・で、なんでお前らここに?危ないんだよマジで」

威圧感を出すミドリ。
まずい、興味本位で出てきたとか言ったら新入早々説教だ・・・。
4人はごくりとつばを飲み込む。
だが意外にもブロントが口を開いた。

「あのっ、女子達が興味本位で教室抜け出して、
俺委員長だし、そいつら止めようとこいつら連れて後を追いかけて・・・」

ブロント以外のちりとり隊は思った。
あ、コイツ仲間売りやがった、と。

当然この会話は個室に隠れている学園防衛隊にも聞こえているわけで。
後でダメ委員長がどうなるかは想像が付くだろう。

「そうか。なら仕方ないな。
・・・でもいい所に来たよ。実は犯人がこの中にいるんだ」

この展開にちりとり隊は驚く。学園防衛隊は焦る。

「一人じゃ歯が立たなそうだったからな。
・・・ちょっと協力してもらうよ。ちょうどいい武器も持ってるし。
あ、ちりとりとそのフタみたいなのはいらねーから」

教室に置いてくるんだった、とブルースは激しく後悔した。

Re: ミリオン学園十人十色【コメ求む!】 ( No.19 )
日時: 2012/04/14 10:03
名前: 77t4 ◆eqNOJ7WetI (ID: acQ6X1OT)

「じゃあ、私がドアを開けるから、ホウキで距離を取りつつ取り押さえろ」

ヤバいどうしよう、と防衛隊はさらに焦る。
ミドリがドアに近づく。そして取っ手を握り締め、
思いっきり引っ張った。
だがドアには鍵がかかっており、ガタンと盛大に音を立てただけだった。

「あ、クソッ鍵かけてやがる・・・ッ」

ミドリはドアに顔が当たるくらい近づき、何とか力ずくで開けようと何度も何度も引っ張る。

その時マゼンダはふと、いいアイディアを思いついた。

「皆、私に急いでついてきて」

小声で防衛隊隊員にそう言うと、鍵を開けて一気にドアを開け放った。
ドアは外開きだったので、かなり接近していたミドリは顔を思いっきりぶつけた。
いでッという声と共に、ミドリは顔に手を当てたまま床に倒れた。
当然、トイレから出てきた4人の顔は見ることが出来なかった。

防衛隊はダッシュでトイレから飛び出し、そして入り口に立っていたちりとり隊を押しのけ、
一目散に逃げ出した。
当然ちりとり隊は、まさかクラスメイト4人が出てくるとは思っていなかったため、あ然としていた。

ミドリは立ち上がったが、個室には当然誰も居ない。

「オイ、どこ行った犯人!」

ミドリの問いに、階段上っていきましたと適当に答えるブロント。

「ちらっと赤いものが見えたからな・・・。犯人確定だ。お前らは教室にいろ。他の生徒は私が連れ戻すから」

ミドリはそう言うと、ダッシュで階段の方へと急いだ。

「アレさ、赤いものってマゼンダの髪の毛だよなあ?」

ブロントの言葉に、ちりとり隊は苦笑いする。

「また先生が学園防衛隊の被害にあったな」

ブルースは言う。4人はNKO作戦を思い出す。

・・・あれ?
ブルースはふとその時の、リンのセリフを思い出した。
“作戦実行!”と言ってた。
そして先生を投げた。・・・かなり力があるよな。
あの時・・・3時間目。午前中。
マゼンダの赤い髪。あの時はなんかすげー怒ってた。
怪我を負った先生。・・・オーガー先生。

ブルースの中で、何かがつながった。

Re: ミリオン学園十人十色【コメ求む!】 ( No.20 )
日時: 2012/04/14 21:11
名前: 77t4 ◆eqNOJ7WetI (ID: acQ6X1OT)

「・・・なあ、大変なことに気づいたんだけど」

いつになく真剣な表情のブルースに、雑談していた他の3人は静かになった。

「犯人の特徴は赤い服で力があって、ミッションがどうのってセリフ、そして恐ろしい表情。時間帯は午前中。
・・・俺達犯人見てるぞ」

思いがけないブルースの言葉に、驚く3人。
ブルースは続ける。

「今日の午前中、NKO作戦でオーガー先生がぶっ飛ばされただろ?
多分被害者の先生はあの人だ」

その時3人は同時に理解した。
ミッション野郎は・・・学園防衛隊だったのだ。
まだいまいち納得いかないジルバは、ブルースに質問をぶつける。

「でもよ、赤い服とかミッションがどーのこうのって何なんだよ?」

「多分オーガー先生、記憶がごっちゃになってるんだろ。頭壁にぶつけただろうし。
赤い髪はマゼンダの髪。ミッションがどうたらっていうのはリンのセリフ。
恐ろしい表情ってのはキレたマゼンダ」

4人の顔が青ざめていく。
あの事件がこんな大事になるとは。マジやべぇ。
入学早々こんな事件を引き起こしたと知れたら。
・・・恐らく3組の評判は地球の裏側まで落ちることとなるだろう。

「・・・と、とりあえず謝りにいこうぜ・・・。
職員室・・・どこだ?」

ちりとり隊はとぼとぼと職員室へ向かった。いつもより足を重く感じる4人。

職員室の前に着くと、ブロントは恐る恐るドアを開けた。
そこには、驚くべき光景が広がっていた。

赤い服を着た、柄の悪そうなおっさんが学園防衛隊と先生、そして警察官に囲まれている。
どういうことだ?
ちりとり隊は顔を見合わせた。

「あ、ブロント達じゃんっ、犯人捕まえたよ」

ティンクは4人に向かって手を振る。
わけがわからず固まったままの4人。

「君たちは教室に戻っていなさい」

そばに居た先生にうながされ、とりあえず8人は教室へ戻った。

Re: ミリオン学園十人十色【コメ求む!】 ( No.21 )
日時: 2012/04/15 18:51
名前: 77t4 ◆eqNOJ7WetI (ID: acQ6X1OT)



「でさ、どーゆーことなんだよ」

ブロントはホウキやちりとりを元の場所へ片付けながら聞いた。
テミの説明によると、2階の空き教室でコソコソしていた不審者を、
学園防衛隊が取り押さえたと言う。
なんとグッドタイミングな不審者。
だが教師はまだ殴ってない、と午前中の事件については否定しているらしい。・・・そりゃそうだ。

「ま、どーせ嘘ついてるだけでしょーよ」

嘘じゃないんだマゼンダ、とちりとり隊は思ったが、
当然言えるわけもなく。
真実は闇の中にぶん投げられましたとさ。

しばらく雑談していると、チャイムが鳴った。
時計を見ると6時間目の終わりの時間帯だった。

「うわ、なんか早くね?5時間目終わりのチャイム気が付かなかったわ」

ブロントは時計を指差しながら言う。

6時間目が終わると掃除の時間だが、まだ掃除の分担が決まってなかったので、
8人はとりあえず教室で待機することにした。

窓から風が吹き込みカーテンが揺れた。
外は晴天で、グラウンドの桜の木にはまだ花が少しだけ残っている。

彼らの日常は、始まったばかりだ。

第三話 えんど。