コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ☆CLOVER☆ ( No.1 )
- 日時: 2012/06/17 17:05
- 名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: u5JYbeHw)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
○o。. 一話 魔法学校何それおいしいの? .。o○
「リリー、もうすぐ学校に行く時間よ!」
階段下から、お母さんの、大きい声が聞こえる。 あたしは、さっきからピピピピと甲高くなっている目覚まし時計を、右手で止めた。
「が、学校……?」
目覚まし時計を止めて、あたしは一瞬固まっていた。 この世界では、勉強しなくても十分生きていけるから、大抵の人は行っていない。 行ったとしても、お金のムダ。
あたし、学校なんか行ってないよ……って、あー!
あたしは、昨日お母さんが、魔法学校に電話で転入手続きをしてたのを思い出す。 慌てて、パジャマのまま大急ぎで一階へ降りた。
「お、お母さん! 魔法学校の場所なんか、あたし聞いてないよ!」
「うふふ、リリーは知らないだろうけど、面白い子を呼んでいるのよ。 ミリアちゃん、来て!」
み、ミリア……ちゃん?そんな名前、聞いたことない……。
すると、木材の家の入口から、きれいな緑の髪をポニーテールにした女の子が入ってきた。
「初めまして、リリーちゃん。 ボクは、ミリアって言うの。 今日からキミのお母さんに頼まれて、一緒に学校に行くことになったよ。 よろしくね!!」
「…………」
こんな子、聞いていない。
といっても、このミリアっていう子の前で『お母さん、この子、誰?』って聞くのも、ちょっと失礼だし……。
「え、えっと……。 あたしはリリー。 魔法とか、あんまり良く分かんないんだけど……」
「魔法が分からないのは、ボクも同じだよ。 ま、少しは知ってるけどね。 さあ、早く着替えて! ボクが、手伝ってあげる!」
え、えぇ!?
そうミリアちゃんは元気よく言うと、訳の分かんない呪文みたいなものを唱える。
するとあっという間に、あたしの動物柄のパジャマが、きれいな黒いローブに変わった。 ミリアちゃんも同じ服を着てる。
「な、何?」
「ま、これで着替えはok! 早く朝ごはんを食べて」
「はいはい……」
ミリアちゃんは満足気な顔で言い、ニッコリとあたしに催促する。 あたしは何も言わずに、朝ごはんを食べた。
「お母さん……。 この子、誰?」
あたしは机の横にいたお母さんに、ミリアちゃんが聞こえないように言ってみる。
「これから魔法学校に一緒に行く、ミリアちゃんよ。 学校の手続きはもうしておいたから、後はよろしくね」
そして、あたしの肩をポンと叩く。 ちょ、ちょっと〜!
『後はよろしく』って……。 無責任にもほどがあるよ。
「じゃ、お母さんはお仕事に行ってきま〜す」
そう言い残すとお母さんはあたし達に手を振って、家を出て行った。
「行ってらっしゃ〜い! 事故とかに気を付けてくださいね!」
ミリアちゃんも嬉しそうな顔で、お母さんに手をぶんぶんと振る。 ついていけない……。
「ごちそうさま」
あたしは食べ終わった食事の食器を、台所に持っていき、洗剤で洗う。
すると、ミリアちゃんはあたしの様子を見て。
「え〜? 古! ボクがやってあげる!」
と言った。ちょっと……っ。 「きれいにな〜れ♪」ミリアちゃんが楽しそうにそう言うと、食器が独りでに動き出して、ピカピカになった。
すごい、けど……。
「すごいでしょ。 だけど、もうそろそろ学校に行かなきゃ遅れちゃうよ!」
そう言うと、今度はあたしの手をぐいっと引っ張り、外に猛スピードで走る。
やっぱりこんなこおかしいよ! いきなり現れた、ミリアちゃんとかいう子に必死について行きながら、あたしは耳の横にかかった髪の毛を払った。
あたしの平和な日常返せ……(泣)