コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ☆CLOVER☆ ( No.19 )
- 日時: 2012/05/09 17:04
- 名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)
○o。. 十一話 これでも立ち入り禁止? .。o○
数時間後。
カラフルな電車っぽいものに乗って、目的地の『フェアリー草原』に着いた。
「ふぇー! 凄い綺麗な原っぱ!」
あたしは思わず、大きな声でこう言った。
フェアリー草原は、ミリアちゃんの髪の色と同じような綺麗な黄緑の草、色とりどりのたくさんの花に囲まれていて、おまけにちらほらと羽根の着いた妖精がいる。
「ちっちゃいね! ペットにしたいな〜」
「バーカ、シフォン! あんたにはルンちゃんとかいうフェアリーがいるじゃない!」
「もちろん、ルンちゃんの方が百倍可愛いけどね」
近くで、シフォンちゃんが、妖精を手に乗せて、キラキラした目でこう言っていた。
呆れたように、リンネちゃんも得意の突っ込みを入れる。
「ねぇ、リリー! あそこの森に行ってみようよ!」
あたしははっと、ミリアちゃんの指さした先を見た。
そこには、緑色の葉っぱを付けた、大きい木がざわざわとしている、凄く大きそうな森がある。
「駄目だよ、ミリアちゃん。そこには行っちゃダメって、先生言ってたでしょ!」
あたしはフェアリー草原周辺の地図を見ながら、こう言った。
だってミリアちゃんが指さした先は、『フェアリーの森』だったから。
「大丈夫だよ。先生に見つからなかったら良いだけじゃん!」
あたしはキョロキョロと、周りにリンネちゃんとシフォンちゃん以外誰もいないのを確認して、
「ちょっとだけだよ・・・・・・」
といった。
「・・・・・・きゅー」
「ミリアちゃーん、もう帰ろうよー・・・・・・」
あたしは多分、げっそりした顔をしてこう言った。
「大丈夫大丈夫! まだ、五分ぐらいしか歩いてないから」
「・・・・・・もう二十分ぐらい歩いてると思うよ」
最初は新鮮だった深い緑の木々や、いつの間にか暗くなっていたむらさき色の空も、今や不気味に思える。
「あ、見てみて、リリー!」
そんなにはしゃいで何・・・・・・と、半ば呆れ気味にミリアちゃんの視線を追うと、そこには、まるで物語の中に来たような、ふわふわした広場が見える。
ピンクとオレンジが混じった幻想的な草の床に、草原とは比べ物にならないくらいふんわりとしたピーコックブルーの林。
それに広場の真ん中には、紫色の大きなキノコが生えていた。
「こんな景色、見たことない・・・・・・」
「でしょでしょ?」
あたし達がのんきにこんな話をしていると、ポン、と誰かに肩を叩かれたような気がした。
「何・・・・・・?」
あたしがこんなときに、と半分怒った表情で振り返ると、そこには、誰もいなかった。
「どうしたの、リリー」
ミリアちゃんが、不思議そうにあたしの顔を覗き込む。
「いや、何か肩を叩かれた気がして・・・・・・」
「木の枝か何かに、引っ掛かったんじゃないの?」
「そうなのかな・・・・・・」
もう一度振り返ってみても、枝どころか、背の低い木すら見当たらなかった。
「それにしても、どうしてここには立ち入り禁止なんだろーね? こんなに綺麗なら、きっと儲かるよ」
ミリアちゃんは、首をかしげながらえぐいことを言う。
あたし達はそのまま、あはは、と笑いあった。
「きゅうん・・・・・・」