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Re: ☆CLOVER☆ ( No.2 )
日時: 2012/06/16 22:02
名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: u5JYbeHw)

○o。. 二話 魔法学校何それおいしくない .。o○

「着いたぁ〜」

 ミリアちゃんに腕をひかれて約二十分ほど。 花がいっぱいで、大きな時計が着いた、きれいな学校が見えた。

「ミリアちゃん、ここ、どこ?」

 まだあたしの腕をつかんだままのミリアちゃんに聞いてみる。

「ん、ここ? フェアリー学園!」
「フェアリー……。 妖精?」

 ミリアちゃんはあたしの質問には答えずに、ただただ、朝の八時を少し過ぎた針の時計を見ながら、じっとうつむいている。
 あたし、何かヘンなこと聞いた……のかな?

「ミリア……ちゃん?」
「あ、ごめんね。 ちょっとボクの妖精のこと考えてて……。 他の子にイタズラしてないかなって」

 ……妖精、か。 なんか、嫌な予感がする。 めちゃくちゃになりそう。 もうミリアちゃんの電波っぷりには慣れたけど……。

「さ、行こっか」

 ミリアちゃんはまた、あたしの腕をぐいっと引っ張って、そのままフェアリー学園(?)の中に近づいて行った。

「そ、それで、あたしは学校に着いたらどうしたらいいの?」

 どーせまた電波なことしか言わないだろうな、と思いながらも、ミリアちゃんに聞いてみる。

「校長室にいる校長先生に会って! まだ分からないだろうし、ボクが案内するから」
「ありがとう。 気を使わせちゃって」

 こ、校長先生……。 あたしはそんな先生、まだ見たことないんだけど……。 初対面の位が高そうな人と、あたしなんかが何を話せばいいんだろう。
 ま、これは今のところ置いといて……。
 いつの間にか、あたしはもうフェアリー学園の中に、右足を入れていた。

「きゃああぁぁぁっ!」

 驚きのあまり、思わず変な声を出してしまった。 そしたら、階段の後ろから、三人の女の子が出てきた。 皆、子供。 もしかして……。 あたし、めっちゃ恥ずかしいことしたな。
 「リリー、どしたの」と、ミリアちゃんがあたしの方を振り返って聞く。 突然あたしを呼び捨てにしてるのは、もうスルーでお願いします。

「……何なの、あの子。 いきなり大声なんて出して……」
「しかも、朝だし。 妖精たちが起きた時間なんだよ! ルンちゃ〜ん」
「あの人、恥ずかしくないのかしら……」

 突然さっきまであたしをジロジロ見てた、三人の女の子が、ひそひそ声で、あたしの悪口を言っている。 丸聞こえだよ……。

「さ、あんな子たちほっといて。 まずは、職員室だよ」
「あ、うん……」

 ごめんねミリアちゃん。また気を使わせちゃって。 少し重い気持ちで、下を向く。
 あたしはミリアちゃんに着いて行きながら、こう言ってみた。

「あの……。 妖精って、何?」
「え、知らないのぉ〜? 妖精は、妖怪の『妖』に、精神力の『精』って書いて、妖精だよ! リリー、もしかして日本語が分からないとか……。 日本人の癖に」
「もー、そういう意味じゃないもん! 大体、例えの単語が怖すぎるよ! 妖怪に、精神力って……」

 日本語が分からないのは、ミリアちゃんの方でしょ! あたしは、思わず頬を膨らます。

「はいはい。 この学園ではね、妖精をペットに出来るの! すごいでしょ! ……はいこれで終了。 分かった?」

 全然。 と口に出す前に、ミリアちゃんが「やっと職員室に着いたよ!」と言った。
 ドアの前に、金色の文字でこう書いてある。

『校長の部屋☆』

 文字が金色ってくらい、偉い人なのかな……。 さすがに☆を付けるのはどうかと思うけど。

「じゃ、ボクはこれで。 頑張ってね!」

 そう言って、ミリアちゃんはスタスタと階段の方に向かって歩いて行った。 お〜い。
『頑張ってね』って、どういう意味ですか? まあ、いいや。
 あたしはドアをコンコンとノックして「校長先生、失礼します」と言った。