コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【オリキャラあと一人】☆CLOVER☆ ( No.27 )
- 日時: 2012/05/13 11:12
- 名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)
○o。. 十三話 リリーの過去 .。o○
『明るくて優しい、しっかり者』と、世間で言われているあたしさえ、昔はそんなのじゃなかった。
この前『普通の人はあんまり学校に行ってない』って言っていてなんだけど、三年前は小さな学校には通ってたんだ。少しだけの間ね-------
今回は、そんなあたしの過去をお話します-------
少し昔、三年前。
当時十歳だったあたしは、お母さんの仕事の都合で、ある都会の小学校に通っていた。
だけどある日、こんなことが起きたんだ-------
生徒皆が、ホウセンカの栽培をしている時、
「きゃっ!」
友達のホウセンカが、風に乗って飛んで行ってしまった。
その子には、お母さんが病弱で、ホウセンカが綺麗に咲いたらそのお母さんにプレゼントするんだと、この前教えてくれたのを覚えている。
その日はちょうど風が強く、フワフワと高いところまで飛んで行ってしまったので、もう取るのはムリだと思われていた。
だけど、かわいそうに思ったあたしは、皆の前に出て、
「ホウセンカ、こっちに戻ってきて」
と、なぜか叫んだんだ。
すると、さっきまで宙に舞い上がっていたホウセンカが、まるで鳥が腕にとまるように、あたしの手のひらに落ちてきた。
「リリーちゃん、ありがとう!」
さっきまで半泣きしてた女の子は、あたしに無邪気な表情でこういうと、タタッと、どこかへ行ってしまった。
その日以来、あたしは苛められた。
「キモいんだよ、魔法使い!」
「こっちくんな!」
どうして・・・・・・?
あたしはただ、花を呼びもどしただけなのに。
それに、あたしはきっと、魔法使いなんかじゃない・・・・・・! 何日も何日も続いて、我慢できなくなったあたしは、こう叫んだ。
「リウヴァとシェルニーなんて、死んじゃえ!」
いじめっ子に向かって・・・・・・。
その夜、リウヴァとシェルニーが、塾の帰り道に通り魔に刺し殺されたと、学校から連絡が入った。
(あたしって・・・・・・?)
あたしは、二人の言うとおり、魔法使いなの・・・・・・?
この世には、いらない存在なの? 魔女狩りされればいいの?
そんな答えのない疑問が、次々と頭に浮かんでくる。
「もう、もう・・・・・・」
あたしは、「死にたい」と言葉に出す前に-------
その口を、静かに閉じた。
ホウセンカを飛ばして半泣きしてた女の子が、目の前であたしのことをじっと見ていたから。
「ココラ、ちゃん・・・・・・?」
それが、その女の子の名前だった。
「リリーちゃん、死なないで・・・・・・!」
ココラちゃんは、この前よりももっともっと目に涙を浮かべて、小さいけどよく通る声でこう言った。
「ココラちゃん・・・・・・」
「わたし、リリーちゃんのこと、好きだから」
ココラちゃんは、急にそんな言葉を口にした。
「リリーちゃん、わたしのホウセンカをとってくれたでしょ? そしたら、お母さんがすっごく喜んでくれて、重い病気が治ったんだよ、凄いでしょ?」
「た、確かに凄いかもしれないけど・・・・・・。そんなの、ただの偶然でしょ」
あたしはぷいっとココラちゃんから顔をそむけて、小さく呟くような声でこう言った。
多分、この時はストレスで、性格が悪くなってしまったのかもしれないね・・・・・・。
「確かに、そうかも知れないね」
ココラちゃんはきっと、こういった時は肩をすくめて苦笑いしながら言ってただろう。
「だけど、リリーちゃん・・・・・・」
あたしは後ろに目を向けた。
ココラちゃんが、まるで「こっち向いて?」というような顔できょとんとこちらを見ている。
あたしが、体をココラちゃんの方に向けると、
「さっきも言ったけど、わたし、リリーちゃんのこと大好きだから!」
ココラちゃんは、あたしがホウセンカをとってあげた時のように、無邪気な笑顔で笑った。
そして、ココラちゃんがあたしに抱きついてきて-------
それからの記憶は、あまりない。
だけど、その時のココラちゃんの体が・・・・・・すっごく温かかったのは、しっかりと覚えているよ-------
結局そのあとは、お母さんの仕事の都合でストーンシティにまた引っ越して、元通りの生活に戻ったんだけど。
それから、ココラちゃんには会っていない-------
〜編集後記〜
うわーまた意味不w
しかも一話の『あたし、学校なんて行ってない』完全無視してますねw
ま、許して下さい・・・いろいろw
登場人物の女の子の名前を決めるのが、面白かったです!(ほぼ適当だけど)