コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ☆CLOVER☆ ( No.3 )
- 日時: 2012/04/27 20:27
- 名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)
○o。. 三話 作者の作る校長先生は← .。o○
「校長先生、失礼します」
落ち着いた口ぶりで言ってみたものの、やっぱり、声が上ずっていた。そして、少しの沈黙の後、校長先生らしき人の、低い声がする。
「・・・・・・転校生のリリー・ミクルさんですね。お入りなさい」
その声に、あたしはとてもほっとした。小さく「良かった・・・・・・」とつぶやく。
そして、重いドアを開ける。
「校長先生・・・・・・」
目の前には、少しでっぷりした体格の良い中年の男と、メガネを掛けた大人しそうな女の子がいた。若干、あたしより背が高いこの子は、さっき三人グループの中にいた女の子だ。あたしの方をジロリと横目で見ると、すぐに目を手元の本に落とす。
ふん、別になんでも良いけど・・・・・・。
校長先生は、黒っぽい椅子に座った。
「リリー・ミクル・・・・・・。確認しました、校長先生」
「宜しい」
メガネの女の子は、校長先生に、手元の本を見ながら言った。
「さて、リリーさん。ここに座りなさい」
校長が言うと、ポンと、あたしの横にどこにでもあるようなパイプ椅子が現れる。さすがのあたしでも、もう分かった。
本当はもっと早く気付くべきだったのかもしれないが・・・・・・。
ここは間違いなく、『地球ではない』世界だった。
あたしはパイプ椅子に恐る恐る座った。
甲高い『キキッ』という音がするだけで、普通のパイプ椅子とあまり変わりはなさそうだ。あたしはまたほっとして、さっきより深めに座った。
「ここに君を呼んだのは他でもない、この学園特有の、特別な話だ」
はいはい・・・・・・。そのくらい、最初から分かってますよ。
「この学園では、生徒に一人一人、『フェアリー』と言うものを、神から授かることが出来る。その『フェアリー』の種類を、君に選んで欲しいのだ」
校長がコホン、と咳払いする。お、面白いことになってきたぞ!
「エルザ。フェアリーのサンプルを持ってきなさい」
「はい、校長先生」
と無表情で言うと、踵を返して奥の扉へとスタスタと進んで行った。あの子、委員長か何かなのかな・・・・・・?
「エルザがいない間、紅茶でも飲んで少し話でもしよう」
またまたポンと、青と白、そして金色で施された豪華なコップが机の上に置かれる。数秒遅れた時に、水がいつの間にか湧いてきていた。
・・・・・・魔法ってホント、良く分かんない。
「ストーンシティは、楽しかったかね?」
ストーンシティとは、あたしと家族が住んでいる家がある、ちっぽけな街だ。
「は、はい。一応・・・・・・」
あたしはしどろもどろで、そう答えた。校長は動揺した素振りなど全く見せずに、質問を続ける。
「そうか。ストーンシティに住んでいる人はあまり魔法を使わないから、ミリアに会って大層驚いただろうな」
「・・・・・・え、えっと・・・・・・まぁ」
早くフィアリーとやら、来い! 会話が続かないよう・・・・・・。
あたしの思いが天に通じたように、そう思った瞬間、エルザと呼ばれた女の子が奥の部屋から戻ってきた。
「お待たせいたしました。フェアリーのサンプルです」
そう言ってエルザが見せたものは・・・・・・?