コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【オリキャラあと一人】☆CLOVER☆ ( No.30 )
- 日時: 2012/05/13 22:31
- 名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)
- 参照: 僕は透明人間
○o。. 十四話 青い錬金術師 .。o○
「・・・・・・ということで」
フリント先生が、手元の本をパラパラとめくりながらこう言った。
「友達と協力して、『星のカケラ』を作ってください。分かりましたね?」
『星のカケラ』というのは、コウモリの羽と、タンポポを錬金してできるアイテム。
それを皆で協力して、一人一つずつ作れって言うの。
作るのにそんなに苦労はしないけど、ちょっとだけ、面倒くさい。料理の宿題ならいいのになあ・・・・・・。
その時、終わりのチャイムが鳴った。
「では、今回の授業を終わります。頑張ってくださいね!」
フリント先生は、さわやかで優しそうな笑顔のまま、こういう。
う、なんか、プレッシャーかかっちゃうじゃん・・・・・・。
そんな中、メランが、
「ミリア。あたしとあなた、どちらが早く星のカケラを作れるか、勝負よっ!」
と名前通りメラメラと燃えながらこう言っているのが聞こえた。
ミリアちゃんは、むっとした顔をして、「はあ〜!?」と言い返す。
「宿題は、勝負をするものじゃないよ! そんなの、カンケーないもん!」
もっともです・・・・・・。
ま、良いや。あたしには、関係ないし・・・・・・。ぱっぱと、終わらせちゃおう!
中庭に出て、あたしは周りをキョロキョロと見回す。
「あ、あったぁ!」
花壇の隅っこで、黄色いタンポポが、風に揺られて葉っぱを揺らしているのが見えた。
第一のアイテム、タンポポはっけ〜ん!
次は、コウモリの羽・・・・・・。
・・・・・・って、こんなの見つかるわけないじゃんっ!
近くに、洞窟なんかあるわけないし・・・・・・。
そこであたしは、近くにいた上級生らしき、緑の髪をした背の高い女の人に話しかけてみた。
「あの、すみません。コウモリの羽って、持ってませんか?」
そう言いながら、自分でも、(持ってるわけないよね・・・・・・)と思っていた。
「持ってるわよ」
そのボーイッシュな女の人は、あたしの目を見ながら、そっけなくそう言った。
「そうなんですか? あの、よろしければ・・・・・・」
それ、下さいと言う前に、上級生らしき人は、ポケットから黒い小さな羽を取り出した。
「これね、私の妹が錬金に使うから、取りに行ってくれって言われて、そのあまりよ。遠慮しないで」
「ありがとうございます。ちなみに、その、妹さんと言うのは・・・・・・?」
そう言いきる前に、女の人は、「ごめん、急がなきゃ!」と言って、あたしの前から消え去ってしまった。
何だったんだろ・・・・・・。
ま、言いや! 材料は集まったし!
・・・・・・それにしても、さっきの女の人、誰かに似ている気が・・・・・・。
「やったあ!」
ポン、と音を立てて、錬金箱から、星の形をしたペンダント(?)らしきものが、あたしの手におさまった。
キラキラしていて、とっても綺麗・・・・・・。
「それにしても、この錬金箱を作った人って、とっても凄いですよね」
あたしはフリント先生に、思ったことを伝えてみた。
まるで最近出来たみたいにピカピカだし。
「ああ、これね。今の三年生の人が、開発したんだよ。凄いよね。今でもいるから、会えるんじゃないかな?」
へえ・・・・・・。
あたしも将来、そんな一流の魔法使いになりたいな・・・・・・。
そういえば、あたしの旅立ちの一言、『絶対に、一流の魔法使いになってやる!』だったっけ。
初心忘れるべからず、だね。
「ちなみに、その人、どんな方なんですか?」
もしかして、さっきの人だったりして。
「う〜ん、僕もあまり覚えてないけど・・・・・・多分、背が高くて、緑の髪をした女子学生だったと思うよ」
え? それって・・・・・・。
もしかして。さっき中庭で会った・・・・・・。
「そうそう、確か、ミリア・サリジアさんのお姉さんだったね、うん」
・・・・・・確信した。
きっとさっき会ったあの人は、ミリアちゃんのお姉さんだったんだ!
今度、もう一度会いに行ってみよ・・・・・・。