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Re: ☆CLOVER☆ ( No.38 )
日時: 2012/05/16 15:11
名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)

○o。. 十五話 上級生だよ .。o○

 タッタッと、あたしは校内を駆け抜けていった。

(ミリアちゃんのお姉さん、どこにいるんだろう・・・・・・)

 あたしは、キョロキョロとあたりを見回す。
 パッと見る限り、あの人はいなさそうだ。
 いつの間にか、三年生の教室の前に来ていた。
 ここは、3−A。AからCまであって、どこのクラスにいるのかは全然分からない。
 あたしは、教室のドアの前で、「すみません、少し、用事があるんですけど・・・・・・」と、ドア越しにこう言った。
 すると、「下級生? 入っていいですよ」と、大人っぽい声がした。
 ガラガラッと、目の前のドアが開く。

「あら、さっきの。私に何か用?」

 運よく、お姉さんが出てきた。

「あの・・・・・・あなたに、少しだけ聞きたいことがあるんですけど、時間ありますか?」

 お姉さんは、顎に指を当てて少しの間黙って、

「良いわよ。だけど、あまり時間がないから少しだけね。それと、私はラミア・サリジア。ラミアって呼んでね」

 と、ウィンクしながらこう言った。

「まず、一つ目の質問なんですが・・・・・・。ミリアちゃんのお姉さんなんですか? ラミアさんは」

 中庭に移動し、花壇の石段の上に登って、あたしは聞いた。

「ミリアを知っているの? そうだけど・・・・・・。あら、驚いた。あなた、リリー・ミクル? ミリアから聞いているわよ」
「あ、はい・・・・・・。あたしのこともリリーって呼んでくださいね!」

 すると、ラミアさんは表情を豊かに変えながら、妹のことを語りだした。

「それでね、ミリアが、『お姉ちゃん、それ、故障じゃない?』って聞いてきたのよ。だけど、それはまともだったわけ」
「は、はあ・・・・・・」

 ラミアさんは怒りと呆れをたして、二で割ったような顔をした。
 さっきから、延々と語り続けている。時間、大丈夫なのかな・・・・・・?

「それでさー。ミリアったら、『ボク、死にたい!』って、泣きながら外に出てったのよ。あり得ないでしょ」

 ミリアちゃんの声真似をするとき、一瞬怪訝そうな顔をしたのが見えた。そして、腕もとの高そうな時計を見る。

「ごめん、話の途中だけど、私、行かなきゃならないトコあったんだ! また、今度ねー!」

 石段からぴょんっと降りながら、振り返りもせずに校舎へと帰って行った。
 あたしは見えなくなるまで手を振って-------大切なことを聞きそびれた。

「待って下さーい! ラミアさーーん!」

 精いっぱい大きく言ったつもりだったけど、ラミアさんの姿はもう見えない。
 あたしは、小さくため息をついた。
 あの質問を先に聞けばよかった-------!

「お〜い、リリー! 今のだーれ?」

 しょうがない、と、寮へ戻ろうと石段を降りると、どこからかミリアちゃんの声がした。

「あ、ミリアちゃん。さっき、ミリアちゃんのお姉さんと喋ってたんだよ」
「え、お姉ちゃんと・・・・・・。そっか・・・・・・」

 急に、だっきまでキラキラしていた笑顔を曇らせると、校舎の方を見た。
 あたしが「何かあったの?」と聞こうとする前に、ミリアちゃんは口を開く。

「もうすぐ授業が始まるよ。戻ろう」

 と言って、あたしの腕をつかんだ。

「うん」

 何かあったのかな?
 ま、良いや!