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Re: ☆CLOVER☆ ( No.39 )
日時: 2012/05/17 17:15
名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)

○o。. 十六話 複雑? 姉妹関係 .。o○

 授業が一通り終わって、寮へ帰ろうとすると、急にミリアちゃんが口を開いた。

「リリー。お姉ちゃんと、どんな話してたの?」
「う〜ん・・・・・・。ミリアちゃんのお姉さんなんですか? とか・・・・・・」
「そっか・・・・・・」

 ミリアちゃんは、少し驚いた顔をすると、静かに言った。

「あのね、ボク・・・・・・今、お姉ちゃんと少し喧嘩してるの」
「喧嘩?」

 ミリアちゃんって、いつも楽しそうで、優しくて、全然そんな風には見えなかった。
 そういえば、ラミアさんも、ミリアちゃんの名前を口に出す時、少し遅くなってたような・・・・・・。
 なるほど。喧嘩した原因は、ラミアさんがさっき言ってたやつだな。
 そう思っていると、突然、ミリアちゃんがあたしの腕をガシッとつかんだ。

「リリー、お願い! ボク、お姉ちゃんと仲良くしたいの! ・・・・・・協力、してくれる・・・・・・?」

 半分涙目になりながら、必死で頼み込むその姿に、あたしは思わず首を縦に動かした。

「やったあ! ありがとう、リリー」
「はあ・・・・・・」

「それで、協力って言っても、あたしは何をすればいいの?」

 寝る前の静かな談話室で、あたしは座りながらミリアちゃんに聞いた。

「お、お姉ちゃんと、仲良くなる口実を作ってほしいの・・・・・・」
「口実?」

 あたしは、こう聞き返した。

「そう。リリーって、お姉ちゃんと仲良いでしょ? だから、お願い!」

 ミリアちゃんは、自分の顔の前で両手をパンッと合わせる。

「別に良いけど・・・・・・。具体的に、どんなふうに?」
「うん、たとえば、ボクがお姉ちゃんに用があるって・・・・・・自分からは、あんまり話しかけにくいから」
「・・・・・・分かった」

 失敗するかもしれないけど、あたし、頑張ってみるね!

「あ、いた! ラミアさん!」

 次の日。ラミアさんを探してその辺をウロウロしてたあたしは、ラミアさんの、目立つ綺麗な緑髪を見つけた。
 背も高いし、良いなー・・・・・・。
 すると、ラミアさんは、こっちに気付いたようで、手を振りながら近づいてきた。
 ミリアちゃんが待っているのは、この校舎の裏。そこまで連れて行かなきゃ。

「あら、リリーちゃん。また、何か用?」

 ラミアさんは、ニコッとしながらこう言った。

「あたしじゃないんですけど・・・・・・少しサプライズがあるので、こっちに来てほしいんです」

 『サプライズ』という言葉に感づいたようで、ラミアさんは、さっきよりももっと明るい笑顔で言う。

「何々? 誰が考えたの?」
「まあまあ。見れば分かりますから!」

 あたしは、ラミアさんの腕を引っ張りながら、校舎の裏へと連れて行った。

「あれ、ミリア・・・・・・?」

 そのラミアさんの声に気付いたようで、ミリアちゃんは、石を蹴っていた右足を止めて、こっちへ振り向いた。
 そして、上半身を思いっきり下に向ける。

「お姉ちゃん、ごめんっ!」
「ミリ・・・・・・きゃっ!」

 ミリアちゃんは泣きながら、ラミアさんの華奢な体へと抱きつく。
 その後ろで、あたし達-------あたし、シフォンちゃん、リンネちゃん、エリザちゃん、サイラちゃんは、カラフルな色の紙(パレードとかで降ってくる奴)を、魔法で空から振り落とした。
 この魔法は、後にあたしが一番最初に覚えた、特別な魔法に・・・・・・なるのかな?

「仲直り、よろしくね!」
「あんたのために、用意したんじゃ・・・・・・あ、ミリアのことね」
「姉妹で喧嘩なんて。ラミア先輩も、子供ですねー」
「君達。これ以上、私達を巻き込まないでよね」

 ラミアさんさえ、うっすらと、緑色の目に涙を浮かべている。

「皆、私達のために・・・・・・ありがとう!」

 そして、ポロポロと涙をこぼしながら、こういった。
 姉妹関係って、大変だなあ・・・・・・ま、あたしにはいないけど。
 とりあえず、仲直りできて一件落着!