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Re: ☆CLOVER☆ ( No.5 )
日時: 2012/04/30 09:08
名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)

○o。. 五話 魔法学校の生徒達 .。o○

 次の日。
 一度寮の自室で寝たあたしは、元気いっぱいだった。もっふーと寝ると(もっふーは驚いてたけど)、ふかふかして、心地よかったからでもある。

「あ、おはようリリー。早いね」

 カーテンをくぐり抜けて、ミリアちゃんが入ってきた。

「うん、フェアリーのおかげでぐっすり眠れたよっ!」

 あたしはそう言って、ミリアちゃんにもっふーを見せた。

「へー、そのフェアリーって、ずっと残ってた子じゃなかったっけ」
「そうなの?」

 何でだろう・・・・・・。つぶらな瞳で、と〜っても可愛いのに!

「さ、リリーも制服に着替えて。早めに授業の準備しとこ♪」
「は〜い」

 あたしは校長先生からもらった鞄の中から、制服のローブを取り出した。女の子だけだったら良いやと、ごそごそ着替え始める。

「やっぱり、リリーって古いよね〜。そんな暇があったら、魔法使っちゃいなよ!!」
「え? でも・・・・・・」

 あたし、魔法の使い方なんか知らない、と言おうとした時、突然扉から女の子が入ってきた。

「ミリア、転校生さん、大変! もう授業が始まっちゃうよ!」

 入ってきたのは、茶色のサイドテールにちょっと垂れ目の、ウサギみたいなリスみたいな、良く分からないフェアリーを乗せた、女の子だった。

「え? シフォン、一時限目は八時からじゃなかったっけ?」
「昨日、先生が言ってたよ、この授業は時間が掛かるから、七時半からだって・・・・・・」

 ガ〜ン!
 あたしは良く分からないけど、ヤバい状況なのは確か!

「ごめんリリー、ボク、先に行ってる!」
「はぁ〜!?」

 それはひど過ぎだよ!
 あたしは、すばやくローブに着替えた。

「あ、そうだ! 転校生の人は迷うことが多いから、もうちょっとゆっくりしてても良いって、先生言ってたよ!」

 茶色サイドの女の子は、思い出したように言った。

「そうなの? じゃああたし、歯を磨いてから行くから!」
「そうして! 一時限目は召喚室だからね〜!」

 今度はミリアちゃんが、あたしに手を振りながら走って行った。

「・・・・・・あれ? 何で見たこともない女の子が転校生の事知ってたんだろ・・・・・・? ま、良いや!」

 あたしはこれ以上、深く考えないようにした。

「・・・・・・きゅ〜?」

数十分後-------

「さ、そろそろ出発しようと! もっふーは、ちゃんとお留守番しててね!」
「きゅー!」

 もっふーも少しづつ、あたしに慣れてきたみたい・・・・・・。
 そしてあたしはもう一度もっふーに「行ってきまーす」と言って、部屋を後にした。そして手元の地図を見ながら、召喚室に向かう。

「あ、ここだ!」

 ドアの前には校長室と同じように、「召喚室」と銀色の文字で書いてあった。

「失礼しま〜す」

 あたしはこう言いながら、重いドアを開ける。
 正面には、黒板もチョークも、机も椅子もなかった。
 そのかわり、水色の文字で「転校生リリー・ミクルさん、フェアリー魔法学校へようこそ!」と書かれた布が、ヒラヒラと舞っていた。

「やっと来たぁ〜、待ってたんだよ。リリーさん♪」

 さっきあたしの部屋に来た女の子が、こう言った。

「リリーにばれないで良かったー!」

 こう言って胸を下ろすのは、ミリアちゃんだ。

「・・・・・・私とリリーさんは、あまり面識はありませんけど」

 こう言うのは、校長室にいた女の子だ。あまり興味なさそうに本を読んでいた。

「べ、別に初対面のあなたなんかに、お礼は言われたくないんだから!」

 こう言った女の子は、あったこともない、水色セミロングの子だ。・・・・・・いや、あったことがある。しかも、昨日。
 変な声を出したあたしに、こそこそと文句を言っていた女の子の一人だ。
 へー、こそこそトリオ三人組か。
 ま、それはこのことに免じて許してあげましょう!

 あたしは皆に精いっぱいの笑顔で「皆、どうもありがとう!」と言った。
 新しい学校生活、よろしくね---------