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Re: ☆CLOVER☆ ( No.62 )
日時: 2012/06/03 16:41
名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)

○o。. 二十五話 人間界から来た女の子 .。o○

「じゃあ、皆! 行ってきま〜す!」
「俺らがいない間、元気にしてるんスよ!」

 手を振りながら、ラミアさんとライトさんは向こうへ走って行った。
 今日は、特別な日。三年生の、投票で選ばれた三人が、数日間の間『人間界』というところに行く、ということになってるの。

「お姉ちゃん! ライトお兄ちゃん! 頑張ってね〜」

 ミリアちゃんも、大きく手を振って二人の背中を見つめる。
 この実習にいけるのは、三人。ということは、あと一人がどこかに……。

「すいませ〜ん! 遅れましたぁ!」

 後ろから、突然男の人の声がした。振り向くと、淡い金髪の目鼻立ちの整った上級生が、あたし達の前にいる、三年生の先生に向かって言っていた。

「カイセイ・メモリーさん! 集合時間はとっくに過ぎていますよ!?」
「ふふふ。先生、せっかくの美貌が、そんなに怒ってしまったらもったいないですよ?」
「……は?」

 カイセイと呼ばれた上級生は、あたし達の方を見ると、

「嗚呼、レディー達、いたのか。私のチャーミングな笑顔に惚れているのかい? 安心したまえ、(まだ)女の子とは付き合っていないから」
「はあ……」

 カイセイさんはそう言って、あたしに薔薇を投げかけると、ウィンクをして上品に走って行った。

「はあ……、何で、あんな子が三人のうちに選ばれたのかしら……あとの二人はまだ良いとして……」

 上級生の担任の先生らしい女の人が、小さくため息をついて、愚痴をタラタラと言う。頬のえくぼが少し引っ込んだ。
 一通り愚痴を聞いていたあたしとミリアちゃんが、ハッと我に返ると、さっきのカイセイさんを追いかけて、あたし達は走って行った。
 人間界に行くには、『ブラックホール』というところを通るんだけど、宇宙とかにあるブラックホールではなくて、ただ黒い、人間界に通じる道だとこの間ラミアさんが教えてくれた。

「あ、あった〜! リリー、来て〜!」

 ミリアちゃんはあたしよりも数メートル先に、立ち止まった。
 周りには、あたし達以外の生徒はほとんど見当たらなかった。三年生だけの行事だから、皆に話してないのかな。

「これが、ブラックホールか……。しばらくレディーとはお別れだな……」
「私達は、今からこれに入るのよ、準備は出来てる? ライト」
「もっ、もちろん!」

 三年生の三人が、ゴニョゴニョとざわめくブラックホールを見つめている。ブドウのジュースみたいな、紫と黒が混じったような色で、大きさはあたし達の背丈ぐらい。
 ずっと見つめていると、中に引きこまれそう……。
 数秒後、さっきの、愚痴を言っていた先生が、小さな箱を持って歩いてきた。

「三年生の皆さん、準備は出来ていますね? あら、この子達は……」

 先生が、小さいメガネの奥からあたし達のことをじっと見据えていた。

「一年生の妹と、その友達です。私達を見送りに来たんです」
「あ、さっきの」

 ラミアさんがあたし達を見ながら、こういう。

「ふうん……。まあ良いでしょう。さて、貴方達は今からこのブラックホールに入ります。教室で説明した通り、躊躇わずに入ってくださいね」
「「「は〜い」」」

 先生は、厳格そうな顔つきのまま、手元の赤いボタンをポチッと押した。さっきの、箱みたいと思ったのは何かのスイッチだったんだ。
 その瞬間、ブラックホールがみるみるうちに、さっきよりも大きくなって、背の高いラミアさんと同じくらいの大きさになった。

「きゃあ〜〜〜〜〜〜〜!!」
「え?」

 突然、ブラックホールの中から、甲高い女の子の声がした。次の瞬間、あたしぐらいの年の女の子が、ブラックホールから派手に出てくる。

「いったあ……、あれ? ここは……」

 その女の子は、コンクリートにはじき飛ばされて、お尻をさすっていた。

「えっと……、貴方達は誰?」
「あら、人間があちらの世界から飛んできたようですね。記憶を消して、元の世界に戻らせましょう」
「は、はあぁ!? 訳が分からないんですけど……」

 女の子は、さっきのでボサボサになった茶色いポニーテールを、くぐりなおしながらこう言った。しぐさと言っていることがあってないよ……。

「せ、先生っ! 記憶を消すのは、法律違反ですよ! 人間に何かあったらどう責任をとるんですか!?」

 ライトさんが、驚いてこう言った。そうなの?

「で、ですが、今はこれしか……」
「私達と先生はもう行かなければならないので、せっかくなら一年生の新入生として、この世界の生徒にしましょうよ。記憶は、校長先生に許可をとったら、元に戻せばいいじゃないですか」

 ラミアさんの提案に、カイセイさんとライトさんがうんうんと首を縦に振った。ミリアちゃんも、「それが良いと思いま〜す! ひゃっほう!」と喜んでいる。

「では、一年生の貴方達……、校長先生に、今のことを話して下さい。許可を貰えないようなら、すぐに元の世界に戻す様に!」

 先生達が次々と、ブラックホールの中に入り込んでいった。
 ちょっと……、あたし等、これからどうなるのぉ!?

「……、えっとぉ……。あたしは、貴方達から言うと、人間界から来た『双葉 恵』と言います。よろしく……」

 ふたば、めぐみ……? 変わった名前だね。
 恵ちゃんは、ポニーテールを揺らしながらこう言う。
 茶色いポニーテールに、同じ茶色い瞳。見た目は、あたし達とあまり変わらない。
 だけど、人間界からのお客様……。
 てか、記憶を消せないからって、ここに置くのっておかしくない!? 矛盾してるよ……。


〜編集後記〜

オリキャラを登場させました!思ったよりも早く出来た。
名前、こんなのでごめんなさい。DQNネームみたいになっちゃった…。センスとかないぜww