コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【参照三百突破!】☆CLOVER☆ ( No.63 )
- 日時: 2012/06/04 20:23
- 名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: u5JYbeHw)
○o。. 二十六話 やっと? きっと! こんにちは 。o○
「でね、ここは職員室。この廊下を突っ切ると、更衣室になってるの!」
「へえ!」
ミリアちゃんは、きらきらした表情で、今説明しているところを指差していた。恵ちゃんは、興味深そうにじっと見ている。
「……ところで」
二人の会話に口をはさんで、あたしは声をかけた。
「恵ちゃん、人間界での生活、楽しかった?」
「ん? ま、まぁ……。でもね、ちょっと、いやなことも結構あったりして……」
「……?」
恵ちゃんは、急に下を向いてうつむいた。目の光が、寂しそうに光っている。
あたし、何か変なこと聞いたかな? ただ、人間界が楽しいかどうか知りたかっただけなんだけど……。
「あ、見て! ここ、何の教室?」
恵ちゃんは、話をはぐらかす様に扉を指差した。
「ここは職員室。今からあたし達は、ここに入らなきゃ」
ミリアちゃんの代わりに、あたしが答えた。ミリアちゃんの頬が、悔しそうにぷぅっと膨らむ。
あたしは、「失礼しまーす」と声をかけて、扉をゆっくりと押した。
「ああ、リリー君達。……おや、その子は?」
校長先生は、相変わらず熊のようなでっぷりとした体形だった。壁の肖像画を見つめながら、タバコを吸っていたところだったらしい。
「初めまして! 人間界から来た、双葉恵です。ブラックホールから、間違えてきちゃいました☆」
恵ちゃんは、全く物おじせずに堂々と言う。ちょっと待って。何で恵ちゃんがブラックホールのことを知っているの?
それに、恵ちゃん、全然慣れっこみたいだし……。
あたしとミリアちゃんは、顔を見合わせて肩をすくめた。
「……ん〜とそれで、あたし、どうすればいいんでしょうか?」
「うむ。ブラックホールから人間が紛れ込むことはあるようですね。だけど、私達の存在がこれ以上知られてしまうのはまずいので、悪いですが、……帰ってもらいます」
「「「えっ……?」」」
あたし達は、三人同時に驚きの声をあげた。恵ちゃんとあって、まだそんなに立っていないのに。
校長先生は、「ついてきなさい」と言うと、廊下に出た。細い廊下に立つと、より一層校長先生が、でっぷりとした体格に思える。
「……と、言いたいところですが、これを機会に人間界の友達と仲良くなるのも良いでしょう。しばらくの間、この学校にいておいても良いですよ。大丈夫、人間界のことは私がなんとかしておきます」
「ほ、ホント……ですか??」
恵ちゃんは、大きい目をより一層大きくさせてこう言った。
校長先生が、「ここが、恵さんの部屋です」と、寮の、あたしの隣の部屋に案内した。
自分の部屋に戻った後、もっふーに、「今日は新しい友達が出来たんだよー!」と、元気に言った。
「きゅん?」
「恵ちゃんって言うの。人間界から来たんだって。明るくて、とってもいい子だった!」
「きゅん……♪」
あたしが笑うと、もっふーまで、優しい顔をしてくれた。やっぱり、フェアリーがもっふーで良かった!
