コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【お知らせあり】☆CLOVER☆ ( No.80 )
- 日時: 2012/06/18 20:52
- 名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: u5JYbeHw)
- 参照: http//
○o。. 三十一話 決定!? 学校の七不思議 .。o○
「でねでね、B組の子が学校に用が会った時、見たんだって! 大広間の鏡に映る、その子のやせ細った姿を!!」
教室のどこもかしこもこの話題。 レミーちゃんもミリアちゃんだって、この話題ばかり。 少し前に起きたドッペルゲンガー事件みたいに、『学校の七不思議』という噂が流れています。 原因は、さっきの女子の言葉通り、夜中に寮から学校までいった、噂好きな女子から広まったらしい。 このほかにも、たくさんの不思議な現象を見たという噂。
でも……あたしを除いて唯一と言っていいほど、七不思議に興味のない男子がいる。 今、召喚室の机で小説を読んでいる————レノア君。
あたしがレノア君を見つめていると、レノア君は肘をついて、ハァっとため息をついた。
あーあ、七不思議とかに興味がない人って、もしかしてこのクラスではあたしとレノア君だけかも。
ちなみに、レノア君は恵ちゃんの世界の人と同じような黒髪を、耳の前で多めに流していた。 まぁ、黒髪と……性格も含めて、真面目、かな?
「おい、レノ……聞いてんの?」
「はぁ……聞いてるよ」
あ、レノア君の前にさっきから必死に話しかけている男子がいた。 この子もどうやら七不思議の話をレノア君にしていた。 レノア君は、つまらなさそうにもう一度大きくため息をつく。
レノア君に話しかけていた男子は、今度はサッカー部の試合で、0-1で勝利をしたという自慢話をレノア君に話し始めた。 レノア君は、少しだけ興味を持ったように横目で男子を見る。
……あ、あたし、何でさっきからレノア君のことばかり話してるんだろう。
「でさ、その試合が終わった後……更衣室に、昔から飾ってある仮面あるだろ? それがさ、圧勝して満足したようにどや顔をしてたんだってさ!」
「ふぅん……」
結局、七不思議につなげるのか……。 レノア君は、すっかり興味をなくしたように、また手元の本に視線を落とした。
この時間がすごく長く感じた。 キーンコーンという重々しい鐘の音。 はぁ、自由時間、待ってましたぁ!
案の定、ミリアちゃんがこっちに向かって歩いてきた。
「リーリィっ! 給食がすんだら、自由時間〜! 勉強サボっちゃお! ねっ!」
「うん、今日の給食、味噌汁と、ひじきと、チーズパンなんだってさ」
「うげぇ……」
あたしが、ミリアちゃんにずっと楽しみにしていた給食の献立を伝えると、ミリアちゃんは舌の先を少し出して、あからさまにつまらなそうな顔をした。
「そっか、ミリアちゃんはひじき、嫌いだったね。 あたしは割と好きだけど」
「そうじゃないの! ひじきはまだマシなの!! チーズパンが嫌なのっ! もうっっ!」
「もう!」って言われても……。 あたしは超能力者じゃないし。
ていうか、ミリアちゃんチーズパンも苦手なんだ。 あたしは、チーズは匂いが嫌だけど、チーズパンなら美味しくて大好き。 ……あたしって、周りとちょっとだけ変わってるのかなぁ。 やだなぁ、普通が一番落ち着くなぁ……。 自分から、「私、さっきさぁ、○○さんに挨拶されたんだよ、あの人が挨拶すんの私だけだよねぇ?」っていう人、苦手なの。 自分で、「私、特別!」っていう人なんて、自意識過剰なだけだよ……。 結局、自分の周りを見れてないだけ。 その人は特別なことだと思うかもだけど、はたから見れば、たまたまその人の前では○○さんが挨拶してないだけで……。 ああ、感がえるのやめた。 ただの愚痴になっちゃう……。 あたし、なんでこんなこと考えてたんだろ。 チーズパンの話から思いっきり脱線しちゃってる。
ま、「私なんて、何の取り柄もない、大馬鹿……」っていう考えも、あたし嫌いだけどね。
「リリー? なんで黙っちゃってんの? 具合、悪い?」
あたしの顔色をうかがうように、ミリアちゃんがあたしの顔を覗き込んできた。
あ、他の人心配させちゃダメだ、リリー。
「なんでもない。 ちょっとね、さっきのことを考えてたの」
「ふぅん……」
ミリアちゃんが、まだ心配げに短くいうと、いきなり、後ろから男子の荒々しい声が聞こえてきた。
「リリー・ミクル、七不思議に興味ないって、本当か?」