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Re: ☆CLOVER☆ ( No.9 )
日時: 2012/05/03 19:00
名前: かがみ ◆CijpBuWabs (ID: JkjZHF0x)

○o。. 七話 ミリアとメランの喧嘩 .。o○

 結局、その日は召喚授業は無し。
 初めての授業で、結構楽しみにしてたのになぁ。

「迷惑掛けて、ごめんね・・・・・・。皆」

 寮に帰る途中、同じ寮の皆にリンネちゃんが、申し訳なさそうに言った。
 だけど皆は、全然気にしてなさそう。男子生徒も、女子生徒もそろってこう言った。

「リンネちゃんが見つかったから、別に良いよ!」
「授業も無くなったしな」

 ニコニコして、半泣きしてた女の子も、大声をあげて叫んでた男子も、リンネちゃんが見つかって、本当にうれしそう。

「ありがとう・・・・・・!」

次の日-------

 あたしは朝早く、目が覚めた。用意も終わり、もう一度、校内の地図を確認しながら、呟く。

「この学校の授業って、一日一教科だけしかないんだぁ・・・・・・!」

 昨日は、リンネちゃんを探すのに数時間かかってたけど、本当はそのあとも勉強しなきゃいけないらしい。でも、昨日は皆疲れただろうって、フリント先生が特別に許可を校長にもらったんだって。

「リンネ、今日は、調理実習だよ!」

 レースのカーテンがサッと開いて、ミリアちゃんが入ってきた。

「家庭科室に、もう行っとこう。アップルパイを作るんだって」

 あたしは、心が躍った。
 料理も家庭科も、だ〜い好きだから!
 特に、アップルパイ作りはさいこー!

「やった〜、楽しみだなぁ!」
「へ〜、リリーって、家庭科好きなんだ」

 ミリアちゃんが驚いたように言った。

「作るのも好きだけど、何より、プレゼントした相手が喜んでくれるのが嬉しくて」
「ふ〜ん・・・・・・。ボクは、ちょっぴり、苦手だなぁ。ま、ボク達はまだ一年生だから、調理実習は一回目なんだけど」

 ミリアちゃんは上目づかいに言う。以外。
 やっぱり、何もかも完璧な子はいないんだよね。

「さ、家庭科室に行こ」
「うん!」

 黒板・椅子・調理台が目立つ家庭科室に着くと、たくさんの人が集まっていた。
 その中に、シフォンちゃんとリンネちゃんもいた。

「あ、ミリア。それに、リリーちゃん。今日は、アップルパイを作るんだって」

 今までリンネちゃんと喋っていたシフォンちゃんは、こちらに気付くと手を振りながら、こう言った。

「シフォン、それぐらい、いくらミリアでも知ってるわよ」
「む、何それ〜!」

 リンネちゃんの生意気でなぜか大人口調に、ミリアちゃんはむっとした顔で言った。

「まあまあ・・・・・・ミリア、リンネ。ぼくらが作ったアップルパイは、各自でもらえるらしいから、楽しみにしてようよ」

 シフォンちゃんは、二人をなだめるように言った。

「そうなの? やった〜!」

 今度はあたしとミリアちゃんが同時に言う。

「料理作りは苦手だけど、食べ物を食べるのは大好きだもんっ!」

 ミリアちゃんは、キラキラとした笑顔で言った。

「だから、そんなに太ってるんだ〜!」

 すると待ってたかのように、大人びた口調で誰かが言った。
 振り向くと、三人の女子を引き連れた華奢な女の子が、ニヤニヤしているのが見えた。

「メラン、ひどい! ミリアは、太ってなんかないもん!」
「そーよ、嫉妬はやめてよね!」

 ピンクのヒラヒラした服を着た女の子は、ちっとも驚いた様子もなく、続ける。

「あら、嫉妬してるのはあなた達の方じゃないの?」
「なっ・・・・・・」

 ちょっと〜、メランとやらも、リンネちゃん達も煽るのはやめて!

「メラン、ボクとあなたのお母さんが仲悪いからって、嫌味言うのはやめてよ!」

 今まで黙ってたミリアちゃんが、メランに向かって言った。

「ちょっと、もう授業始まっちゃうんだから!」

 あたしも叫んでいる二人に向かって言う。ああ、野次馬達がゾロゾロ来てるよ。

「あなたは関係ないでしょ!」

 びくっ。
 怖い・・・・・・。

 そうしている内に、始まりを告げるチャイムが鳴った。

「アップルパイは四人グループで作るから、あたし達とあんた達で、どっちが上手く作れるか勝負よ!」
「望むところだよ!」

 あ〜あ、もうグループ、決まっちゃったね。
 それならあたしが、得意の料理で相手を打ち負かしちゃおう!