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Re: 常世と現世  【キャラ絵うp!…してみた】 ( No.15 )
日時: 2012/05/05 16:51
名前: 鬼神 ◆3Kr4rK/YVw (ID: QSygN.Tt)

─…あれからどれ位たっただろうか。

『…お主、大丈夫か?』

うっすらと聞こえてきたのは私と同い年位の男子の声。
すると、私の体にふわりと誰かに持ち上げられた感覚があった。
私は誰かに抱き上げられたまま、また眠りに落ちて行った。

《第四話》


それから暫くたった後、慌てた様な人の声が聞こえた。

「…火南ちゃん、大丈夫かい!?」
「起きな、起きなってば!」
「火ー南ーちゃんっ!!」

周りにいる人の一人が私に向けて何かを振った。
パァーン…、と言う効果音と共に両頬に伝わる痛み。

「……痛ぇぇええ!!?」

私は、痛みでその場から飛びあがった。

「良かったぁ、火南ちゃん起きたわ!」
「山田さん、叩くのは酷いじゃありません?」
「えぇっ!けどだって、これしか方法浮かばなかったものだから…」

「「「とにかく火南ちゃん、大丈夫!?!?」」」

周りにいたのは家の近所のおばさん達。
…大丈夫じゃネーっす、特に頬が。

私の家から左隣に住んでいる、お笑い大好きな山田さんが持っているのは、スーパーのチラシで作られたハリセン。
山田さん、それで私の頬叩いて起こしたんスか。
何か色々凄いです、お隣さんをハリセンで叩ける勇気とか、ハリセンの扱いの上手さとか。
チラシのハリセンでも、かなりの威力ありましたよ?((

「吃驚したわ、火南ちゃん私の家の前で倒れてるんだもの」
「鈴木さんが大声あげるから、私吃驚しちゃって家から飛んででたわぁ」
「火南ちゃん、日射病?お水か何か持ってきてあげようか?」


斜め隣に住んでいる、農作業が得意の鈴木さんが状況を身振り手振りで私に伝えた。
……倒れてた? 鈴木さんの、家の前で?
それありえなくないですか?
だって、私朱雀神社で倒れたんですよ?
鈴木さん家に遊びに行った記憶も無いし
そもそも、倒れた人が移動するなんてありえないし
神社から鈴木さん家まで結構距離ありますし。


〔Q:自分の記憶を辿って行ったら、絶対にあり得ない事が起きているのは何故?〕
  
       ≪A:さっきまでの事は夢でした☆≫


はい、これで私の脳内の謎は解決、と
大体夢じゃなきゃ、あんな不思議な事起こりっこないし。

「いえ大丈夫です、ちょっと疲れてたみたいです」

私がそう平気そうに微笑むと、おばさん達は少し安心した様に胸を撫で下ろした。

「んじゃ私達、畑に戻るわね」
「火南ちゃん、家に帰ったらゆっくり休むんよ?」

「はい、分かりました」

私はそう言い、微笑みながら腕を振る。
すると、お笑い大好き山田さんが振った腕を見てきた。

「火南ちゃん、アンタ腕どうしたん?どこかでぶつけてきたの?」
「え?」

そう言い山田さんが指さす所には、暗い紅色の朱雀のマークが彫られていた。

これは、さっき倒れる時に見えたマーク…


≪先ほどのA:さっきの事は夢でした☆≫

{新しいQ:では、何故夢の中で彫られたマークが現実に残ってるの?}

【A:そりゃあもう、先ほどまでの事が現実に起こった事だからでしょう】