コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 常世と現世  【キャラ絵うp!…してみた】 ( No.19 )
日時: 2012/05/07 14:50
名前: 鬼神 ◆3Kr4rK/YVw (ID: QSygN.Tt)

「…今までの事が夢じゃないとすれば……??」

私が一生懸命考えていると、どこからか声が聞こえてきた。

『…お前なんぞが考えても無駄無ー駄っ!ケラケラケラ…』
「…だ、誰?」

その声は、倒れた後に聞こえた少年の声。

《第四話》

『誰、だと?……ケラケラ…誰、じゃろなぁ?』

少年の声が、馬鹿にしている様に笑う。

「…だ、誰かいるんなら出て来なさいよ!」
『…やれやれ、助けてやった奴に何ていう言葉使いじゃ』
「助けて、やった??」


私がそう言うと、『よく言えば勇ましい、だな』と一人言の様な声と、またケラケラ…という不気味な笑い声が聞こえた。
不気味な、不気味な笑い声─…


……あっ!!

神社の時、この声の主に倒れてる所を抱きあげられた記憶がある。


「も、もしかして神社の?」
『やっと気づいたか、…俺は、朱雀の奴に眠らされたお前をあの女達の元へ運んでやったんだ。あの時のお前、危なかったんだぞ?俺がお前を運んでやったお陰で今、そうやって歩いているんだぞ』

そ、そうだったんだ…

「す、すみません…助けてもらったのにっ…!」
『いや、いいんじゃ……しかし、この目に見えぬ姿になるには疲れるの、ちと一回姿を現してもいいか?』
「あ、はいっ!」

私がそう言うと、その少年の声が微笑んだ様な気がした。
そして、ボソリと少年の声が小さく聞こえた。


『…術、解除』


その瞬間、私の周りには紫の霧が包まれた。
ゆっくり紫の霧が消え去っていく─…
そして、そこから人影がボンヤリと見えてきた。

「…名を名乗るのが遅れたな、俺は乏しさの神、貧乏神じゃ」

そういった人影は見る見るうちに、私と同い年位の少年の姿になった。
その名の通り来ている着物はボロボロで、体も細くて…いかにも貧乏神っぽかった。

「と、乏しさの神……??…厨二??」




な、何か意外と若い……! 意外と顔が整っていらっしゃる
そしてどこから表れたの!?
後、名前が貧乏神って…変わってる(第一印象)←




言葉遣いも昔の人っぽかったし… てっきり高齢のお爺ちゃんかと…

「…で、お前の名は?」
「へっ? ち、千鳥 火南……です」
「そうか、火南か」

いきなり名前を問われたもんだから、私はしどろどもろになって答えた。
すると、貧乏神はクスリと微笑んだ。

「…俺はお前を気に入った」
「は、はい?」
「後で、助けたお礼をしてもらうぞ」

お、お礼……??

「…その時に、神社の事の意味を教えてやろう」

そう言うと、少年…いや貧乏神はパッと消えた。
生ぬるい夏の風がビュウッと音をたて空を切る。

「へっ、ちょっ!?…消えちゃった…ど、どうやって消えたんだろ…変な人」


何となく空を見上げると、あいからわず綺麗な青空。
だけど向こう側の空に、少し黒い夕立の雲が見えた様な気がした。

「…雨降るかも、疲れてるかもだし早く帰ろう…」