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Re: 常世と現世 ( No.3 )
日時: 2012/04/28 18:17
名前: 鬼神 ◆3Kr4rK/YVw (ID: QSygN.Tt)
参照: http://www.kakiko.info/bbs3/index.cgi?mode

月の光に妖しく照らされた一人泣きじゃくる神様。
その身には自分自身でつけた様な生々しい傷が何個かあった。

「ぅ、あ……」
「…神様、もう大丈夫です。さぁゆっくり眠りなさい……」

近くにいた青年は優しげな声でそう呟く。
すると、その神様は安心した様にすぅ…っと眠りに落ちて行った。

「…やっぱり1人だとキツいですね、…はやく朱雀を探さないと」

その青年は一人でポツリと呟いた。

《第一話》

朝、さわやかな風邪が部屋全体を包み込む。
窓の外を見るとお出かけ日和な青空が広がっている。
嗚呼、空はこんなに青いのに─…、何故こんなに退屈な気分なんだろう。

『────……』

TVのニュースのアナウンサーの声がうっすらと聞こえる。

「あぁ…暇だなぁ」

私、千鳥 火南(15歳)は手に持っているガ●ガリ君を齧りながらそう呟いた。
何だのだろう、この退屈さは。
折角の夏休みなのに、何もする事が無いとはどういう事だろう。




       する事が、無さ過ぎる




これは結構苦痛な事。忙しすぎるのも嫌だが暇すぎるのも嫌だ。

夏休みの宿題?一応真面目な方なので、んなのとっくに全部終わらせましたけど何か?
部活?入ってません。
友達と遊ぶ?友達、何ソレ美味しいの?
親とどっか里帰り?残念ながら、親は娘残して二人一緒にラブラブ熱々で旅行に行っちゃいました。
趣味の事をする?私、将来が退屈になりそうなほど趣味がありません。

ほら、考えれば考えるほどする事が潰れていく。

何だこの凄過ぎるほどの暇さは、私何かに呪われてんの?
朝だからTVはニュースとか子供番組ばっかり。
よく行くチャットルームは何故か無人。

何だよ、神様か何かが私を暇になる運命にさせてんの?

そんな事を考えながらボーッとTVを見ていたら、頭の中が閃いた。

『今日はお出かけ日和!プールや海、山などの涼しい所に遊びに行く人が多い様で─……』

アナウンサーの高い声が聞こえた瞬間ビビッときた。


   外 、 だよ  外


「そうだ……外に出かけりゃいーんじゃん」

そうだ、外だ。
外で思うままに適当に散歩してたらいいんだ。
いいお店に巡り合えるかもしれないし、図書館で本を借りに行くってのも良いかもしれない。

そう思いついたら真っ先に行動。

私は帽子をかぶり鞄を肩にかけ、家の鍵を閉め出かけて行った。