コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 常世と現世 ( No.5 )
- 日時: 2012/04/29 18:07
- 名前: 鬼神 ◆3Kr4rK/YVw (ID: QSygN.Tt)
何で、足が勝手に動いてるんだろう。
止まれ、止まれ止まれ止まれ。
何度念じても、怖いほどに動く自分の足。
途中でプツン、と暑さで考えるのを止めてしまった脳。
けど、足はそんな事お構いなしにそのまま南の方角を歩き続けた。
────朱雀神社のある方角へ。
《第三話》
気が付くと、私は小さな神社の前に立っていた。
いつの間にか、さっきまで暑くてしょうがなかった体は、一気に熱が出たのか逆に寒い位までになっていた。
…何でこんな所に来てるんだろう、私。
私はボーッとする頭で一生懸命考えた。
…が、途中でめんどくさくなったので考えるのを止めた。
「…朱雀神社??」
神社の横の石を見ると、いかにも古そうな彫り方で『朱雀神社』と書いていた。
へぇ、ここがかぁ。初めて来たなぁ…
まぁ、たしかに神秘的な雰囲気かも。
へぇ、屋根瓦に鳥の紋章が彫られてある、これが朱雀ってモンかなぁ。
私は、遠くから来た観光客の様に神社を見渡す、何か近所に住んでるのに、15になるまで来ていなかったとか、恥ずかしいなぁ///
……あれ、観光客??
そういえば、いつもなら観光客が数人は居る(って聞いた)のに今日は誰一人いない。私以外にはスッカラカン。
……??変だなぁ
私が不思議に思っていると、頭に何か異変が起きた。
持っていたガ●ガリ君を地面に落とす。
(───ズキン)
「…痛っ…、頭痛??熱中症??」
(───ズキン、ズキン)
「…何この痛み……っ!」
(───ズキン、ズキン、ズキンッ)
「痛いっ!」
私は思わず大声をあげた。
頭の頭痛が酷い。じょじょに痛みが大きくなっていく。ついには頭が焼けつく様な痛みになった。
「───っあァああァァァあアぁぁっ!?」
悲痛な叫び、その叫びは神社の近くの森に木霊し、吸い込まれて消える。
─……すると突然、頭の痛みが何かに包まれる様に楽になった。
『…火南、試す様な酷い事をしてしまいごめんなさい』
優しい女の人の声、とても、懐かしい様な気がする。
…ってか、私試されてたの?てか、何を試してたの??;
「あ……ぁ…の」
『ですが、私の炎に気を失わずにに耐えられるなんて…、やっぱり貴女は「朱雀の名を持つ者」ですね』
…「朱雀の名を持つ者」??
何だそのネーミング、カッコ良いのか悪いのか良く分からんぞ。
てか、無視しないで下さいな。
……何て、この雰囲気に似合わない事を考えてみたり。
『─…では、私から「朱雀の名を持つ者」としての印を与えましょう─……。少し痛みますが我慢して下さいね』
「え…………?? 痛っ」
一瞬、右腕に焼けつく様な痛みを感じた。瞬間意識が朦朧とする。
……あ、屋根瓦の朱雀のマーク??
ぼやける眼で見たものは、少し日焼けした右腕に彫られた暗い紅色の朱雀のマーク。
それを見た瞬間、私の意識はプツリと途絶えた。