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Re: イケメン三王子と、恋するメイドさん ( No.15 )
日時: 2012/05/03 20:51
名前: 羽月リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: WV0XJvB9)
参照: やっと話が始まる…かもしれない

「起きてくださーい! 朝ですよー!」
 わたしは、大声で言いながら、部屋のカーテンを開ける。
「陽ー! 起きろー !!」
「まぶしい…。うるさい…。ねむい…」
 ベッドの中で丸くなる陽くん。しかし、わたしは容赦なく布団を取る。
「さむい …!」
「『寒い』って言ったって、もう春ですよー!」
「ぼくのこと…?」
「や、陽(はる)じゃなくて、春(はる)です」
 ようやく、陽が目覚めてきたようなので、わたしは隣の部屋へと向かう。
「起きてくださーい! 朝ですよー!」
 先程と同じように、カーテンを開ける。
「……結愛——」
「…え?」
 次の瞬間、わたしは腕を掴まれ、そのままベッドに引き込まれた。
「おはよう、結愛。今日も良い朝だね」
「………な」
 わたしはベッドの上で仰向けに寝かされている。そして、わたしの上に輝がいる。
「何してるんですか!」
 逃げようとするが、両手を押さえられていて、逃げられない。
「結愛。一緒に、もう一回寝ようか——」
 わたしは足を振り上げて、輝を蹴った。
「いっ…た!」
 その隙にわたしはベッドから出て、その場から逃げるように立ち去る。
「はあ………。最後は、光さんか」
 光さんは、わたしより年上だから、さん付けで呼ぶ。陽くんは、年下だから、くん付け。輝は、同い年だから、呼び捨て。 まあ、怒るときは、相手が誰だろうと呼び捨てです。
「さあ! 光さん! 起きてくださーい!」
 光さんの部屋のドアを開けながら言うと、部屋の中では光さんが机に向かって何かをしていた。
「光さん…? 何してるんですか?」
 チラリと覗くと、パソコンをしていた。それで、ネットを見ていた。
「光さん。それって、もしかして、アダルt」
「わあぁあアァッ!!!!!!?」
 光さんが慌ててパソコンの画面を隠す。しかし、わたしはもう見ちゃいました。
「はあ………。まあ、良いですよ。どうせ、わたしには関係ないですから——」
「結愛ちゃん、君ねぇ、パソコンの覗き見っていうのは——」
「声かけても気づかなかった光さんが悪いです」
 ため息をついて、わたしは言う。
「榊原三兄弟の長男の恥です」
「何だよ! 良いじゃんよ!」
「とにかく、朝です。制服に着替えてください。では」
 てきぱきと言ったわたしは、そのまま、キッチンへと急ぐ。これから、朝ごはんを作らないといけない。



「はい、朝ごはんです」
 そう言って、わたしは三人の前にごはんを置く。
「どうぞお召し上がりください」
 ニッコリ笑顔。完璧でしょ。
「うまそー」
 そう言いながら食べようとする輝の手を、わたしは叩いた。
「何するんだよ!」
「いただきますを言ってからじゃないとダメです」
 輝はわたしのことを不満そうに睨んだが、「いただきます」と小さな声で言った。
「いただきます」
「いただきます。結愛ちゃん、料理、上手だね」
 ニコニコと陽くんが言ってくる。
「ありがとう」
「ごちそうさま」
 輝が、立ち上がって、部屋から出ていく。
「あ、輝——」
「何?」
 振り返って、わたしのことを見る輝。
「…どこ行くの?」
「………学校。遅刻すっぞ」
「………え」
「………あ」
「きゃあ!!? もう八時 !!」
 学校には八時半には着かなければ遅刻になってしまう。
 わたしと榊原三兄弟は、急いで家から出ていった。