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Re: イケメン三王子と、恋するメイドさん ( No.16 )
日時: 2012/05/04 10:53
名前: 羽月リリ ◆PaaSYgVvtw (ID: AzXYRK4N)
参照: 恋するメイドさん

「…間に合った」
 ギリギリのところで学校に着いた私は、肩で息をしながら自分の席に座った。
「おはよう、結愛。今日も元気そうだね」
 隣の席の、櫻ノ宮明良くんが苦笑混じりに言ってきた。
「…これが元気そうに見えます?」
「うん」
 ニッコリと笑う明良くん。
 ——はぅっ! 今日もカッコいい!
 そうです。わたしは明良くんのことが好きです。
 「題名は恋するメイドさんなのに、誰に恋してんだよ! 榊原三兄弟か !?」とか思われてたかもしれないですけど、櫻ノ宮明良くんに恋してるんです!
 さらさらの黒い髪。細い鼻。小さな口。大きな目。白い肌。
 もう、かっこよすぎて、ノックアウト…。
 朝から話しかけられるなんて今日のわたしはついてる!
 そんなことを思っている間に、担任の先生が教室に入ってきた。
 今日も良いこと、ありそうだな♪

「何をニヤニヤしてんだよ、結愛」
「え !?」
 気づけばいつの間にか休み時間になっていて、榊原三兄弟の次男、榊原輝がわたしの目の前にいる。
「なんでもいいでしょ!」
 プイとそっぽをむくわたし。
 実は、榊原輝とは同じクラスなのです。…嫌だ。
「明良に見とれてた…って感じか?」
「!!?」
 なんでそれがわかったの !?
「ハン、お前、顔に出やすいって前に言ったろ。それとも、もう忘れた?」
 鼻で笑って輝が言う。
 あー、そう言えばそんなことも言われたような………。
「…って言うか、どうでもいいでしょ! どっか行ってよ!」
 我にかえったわたしは、輝をぺしぺしと叩いた。
「何するんだよ…!」
 そう言いながら、どこぞへ去っていった。
 …ふぅ。まったく、疲れるなぁ——。