コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: *迷恋華* ф実話ф ( No.12 )
日時: 2012/05/07 19:15
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: ZyN2DGA0)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

第二話『新学期happening』


**


五時間目、六時間目と時間が過ぎて、帰りの会。
帰りの会が無事に終わり、私は大きく伸びをした。
やっと帰れる、早く帰りたい!!
その一心で急いで机を下げると、


教室中に、大きな音が響いた。


「……あ……」


何かと思って振り向けば、机から落ちている私の椅子。
お、落ちてしまった……。
拾わなきゃ。
そう思って振り向いた瞬間、


「……っ!?」


落ちた椅子の目の前で、壱が固まっていた。
えぇぇぇぇぇまさかの?
一気に、思考回路が停止した。


タイミング悪すぎる……。
そう思いながら私は立ち尽くし、壱の顔をチラ見。
壱は軽く笑みを浮かべて、ただ椅子を見つめてる。
そしてこっちを向き、椅子を拾ってくれた。
その動作に我に返り、私は壱に近付く。


「暴れるなよ、壱〜」
「お、俺暴れてねぇし」


クラスの男子にそう言われ、壱は軽く笑う。
そのまま、壱は片手で椅子を差し出してくれた。


「ご、ごめん……」


私は謝りながら、椅子を受け取る。
そこでやっと、まともに壱の顔が見れた。


——……なんか身長、でかくなった?
少しだけ、大人っぽくなった?


壱は男子たちの方みてて、目合わせてくれなかった。
そんな些細なことでも、やっぱり辛いなぁ。


……だけど私、これでいいって想ってたんじゃないの?
壱が優しいからって、甘えちゃ駄目。
期待しちゃ、駄目。


だけど『振られてはいおしまい』なんて恋愛は嫌だ。
我が儘だけど、ほんの少しでもいいから、意識してほしい。
でも、それが駄目なのわかってるから。
叶わないのなんて、わかってるから。





だから、せめて友達になりたいよ。