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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *迷恋華* ф実話ф ( No.16 )
- 日時: 2012/05/12 19:38
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: lcGOSbxj)
- 参照: 未完成で曖昧な恋の色。
第四話『期待しない方法』
開き直って、頑張るしかないよなぁ。
……そうじゃなきゃ、やってられない。
この気持ちは、どうすることも出来ないのだから。
「うぬぉわぁっ!!」
次の日の教室。
休み時間の最中、突然壱が奇声を上げた。
教室中に響き渡る奇声に、皆小さく笑い声を上げる。
奇声もかっこいい、なんて感じる私は馬鹿なのだろうか。
そう思いながらも頬杖をつき、壱の方を眺めていたとき。
「……壱、アレだもんね」
「は?」
犬ちゃんが、壱に向かって笑みを向けた。
アレとは……?
「アレだよね、アレ」
「え、あ、アレって何さ」
「ふふふ」
壱は動揺してる様子だが、犬ちゃんは横でニヤニヤしている。
アレって……。
アレってなに!?
でも壱の反応からにして、絶対恋愛の事だと思う。
やっぱり、好きな人がいる現実には変わりない。
目を閉じても、必死に嘘を並べ替えても。
やっぱり、壱は好きな人がいるんだ。
壱がちょっとこっちむいてるだけで。
目が合っただけで、自惚れちゃだめだ。
——でも、止まらない。
期待をしなければどんなに楽か。
だけどもう、期待しない方法なんか忘れちゃったよ。
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