コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

☆最終章☆ ( No.62 )
日時: 2012/08/11 17:21
名前: 工藤 杏 ◆8SqUCOTuGQ (ID: 4M4hyAMx)

「あ、春っ!」
文夏は叫んだ。声が弾む。

春の頭には、新品の包帯がキレイに巻かれてる。
さすが、看護士さんの巻き方だ………って、思ったんだけど。
「こんなにやんなくても良いって言ったのに。コレのせいで時間くった」
春はさっそく包帯を巻き取ろうとする。
「きゃぁっ、やだ春っ、血ぃ見え始めたっ!」
私は焦って巻き直してやった。
悠希もなんか、うわって顔してるし。

「あの…さぁ」
「「?」」
急に悠希が話し始めた。さっきとは違う、なんか少年の顔って感じ。
「なんだ?」
春が不思議そうに悠希を見る。
「えっと……。もう1つ」
ん?何が言いたいのか分からない。
「何が?」
「久堂さーん、久堂さーん」
私が聞き返そうとしたとき、受付の看護士さんが言った。
「ん、悠希待って。…ハーイッ」
春は受付で、包帯を受け取って、なんか書類ももらって、戻って来た。

そして、病院を出て、三人でまた並んで歩き始める。
「もう1つ、約束があるんだけど」
悠希が静かな三人の中に、話しを入れる。
そういえば、そんな話をしようとしてたトコだったっけ。

「俺らはずっと、一緒な。コレからもずっと」

春と文夏は顔を見合わせて、そして3人で顔を見合わせる。
「悠希のばぁか。ねぇ?」
文夏がにこっと笑顔のままに言う。
「あったりめーだぁっ!!!!!!!!」

私たち、俺たちはずっと一緒。
どんなに離れていても。こころは一緒…って言うでしょ?
私たちは、そばに居なくても、こころは1つなんだから。

この夏。私は少しだけ、変われた。
大人へ一歩、踏み出したのだ。
2人がいるから、君が居るから。

夏は、大好きな季節へと生まれ変わる。そして。どんな事があっても……、私に嫌いな季節は無い。

あなたがいるから。
ドコへ行っても_____________________________




                                             *おわり*