コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ひとびと ( No.9 )
日時: 2012/10/10 21:32
名前: 音羽 (ID: LZNmYCgd)

第八話

「はい、できました」

 しばらくしてアビーニャさんが差し出した画用紙には、黒い髪の長い女の子が描かれていた。

「これ、私……?」

「そうですよ——貴女ってほんとお綺麗だから」

あ、どうも……。

「それじゃぁ、私はこれで。旅人さん、この国を楽しんでね。あ、そうだ」

そういって彼女の差し出したのは、小さなメモ。

「もし今夜泊まるとこがないんだったら、ここの宿を訪ねるといいですよ。母娘二人でやっているんですけどね。安いし、サービスもいいし。
なによりご飯がおいしいですよ。私の紹介だって言ったらいいと思います」

一気にまくしたてる。
……行くとこないし、寄ってみようかな。

「ありがとうございます。助かりました。あの、絵って、どうしますか?」

「ああ……私が持っていていいですか?お金は払います」

どうぞどうぞ。
お金をもらって、私はアビーニャさんと別れた。