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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Name-永遠-【200越え!ThankYou !】 ( No.52 )
- 日時: 2012/09/04 23:11
- 名前: 優蘭 (ID: 1Enbe91p)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
第10話【ジブン】
キィ——
重々しい音を立て、これまた重たい空気、扉もろとも動かした。
「…永遠」
部屋の中からであろう声が聞こえた。
その声にはいっさい触れずにあたしは コツ と一歩部屋へと踏み入れた。
そこには、元は紅色の美しかったと思われる古びた赤色のような絨毯が敷かれ周りには 数えきれないほどの≪本≫がおかれ
その部屋の中心に ひとりの女が立っていた。
あぁ。…さっきの声はこの人だな。
妙に気持ちが落ち着いて いつものあたしに戻っていった。
先に沈黙を破ったのは その女だった。
「こんにちは。…柑菜ちゃん いや。 永遠さんでしたね。」
かんな… カンナ KANNA かんな 柑菜!!!!!!!!!!!!!!!!!!
急に何かの記憶を脳に塗りつぶされていくように 自分がおかしくなっていく感覚がした。
気持ち悪い。
柑菜…??? 永遠…??? あたしは「カンナ」? それとも「トワ」?
「アタシ はっ —誰なんだ」
パニックを起こす あたしに女は「まだ、早かったみたいね… ごめんなさいね。 とにかく落ち着いて。」
そう言っている。
誰が落ち着けるんだ。落ち着けるわけがない。——
自分が 何なのかもわからなくなってしまったのだから。—
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