コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- ココロの鎖 ( No.4 )
- 日時: 2012/06/21 15:08
- 名前: ミケ (ID: G2fsKg0M)
春ーーー新しい出会いがなぜか異常に多い季節。それはどこでも同じ。実際に私の身の回りでも、すでに多すぎて名前が覚えられない程の出会いがあった。
「真梨先輩、おはようございます。」
「おはよー。」
そう、後輩。新一年生が入学して来たのだ。
「おはよー、未玖。」
「真梨ぃぃ!!!」
「な、何…? どうしたの。」
未玖の目は今までになくキラキラとしている。
「こ、後輩だよ…。」
「うん。」
「おはようございますって言われるの、めちゃくちゃ新鮮!!」
「ああ、そうゆう事ね。」
今まで学校の人は全員が先輩。常に気を使い、敬語を使っていた。それが今年からは使わなくていい学年ができた。その事に、敬語を使うことが大の苦手だった未玖は私が想像できない程に感動しているのだ。
「部活、何人入部するかなぁ…。」
「たぁ〜くさん! たくさん入部させようね! ね、真梨!!」
未玖のこの勢いに、私はうん、という返事以外を封じられた気がした。
ダムダム……という体育館の中の音。去年の夏からはや一年。次は、新三年生の夏の公式戦が迫って来ていた。そのせいか、自然と練習にも熱が入ってくる。今では私もバスパンにTシャツというバスケ用具が揃っている。練習前のフリーシュートものびのびとするようになった。
「ッたぁ…!」
いきなりのガンッという頭への衝撃。目の前で弾むバスケットボール。誰かのボールがあたったらしい。
「誰の…これ…?」
頭をさすりながらボールを拾う。
「ごめん! 大丈夫?」
ボールを投げたのは同学年の男バス、鈴谷 廉(すずや れん)だった。
「あ、うん。全然平気だよ。」
言いながらボールを渡す。ありがとーと言って廉はまたシュートを打ち始めた。
廉はバスケが上手い。身長は余り高くはないけどドリブルが上手いのとカットイン、パスカットなどが買われて三年生を押しのけてベンチ入りしている一人だ。今年同じクラスになった。あんな人もいたんだ、と今更ながら発見した。