コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! キャラ絵うp!!! ( No.16 )
- 日時: 2012/08/03 10:25
- 名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: BUG11FhX)
- 参照: 花火「作者は今日学校は振り替え休日だよ。登校拒否じゃないからね」
コンコン・・・・
「失礼しまーす。ちょっといいですかー?」
聞き込み調査のために家の門を叩くのはこれで4宅目だ。随分緊張がほぐれ、動作も柔らかくなっていた。
情報収集のための友美はかなり重宝していた。やはり僕たち男子が訪問するよりまず友美が行った方が相手も安心するのだろうか。ドアを開くのは主婦であり、岡村姉弟にとって顔見知りらしい人もいた。
詳しく言えば情報収集はこんな風にしていた。
まず友美がノックをし、初動理由を告げる。そのあと、僕がたっぷり3Lの嘘を交えて事情説明をし、頭のいい花火が誘導尋問のような形で詳細を聞き明かす。
次第に進めるに連れ、僕たちは有力な情報を手にしていた。かの八汰烏は結構派手に行動してるようで、多数の目撃情報があった。どうやら『学ラン着用』、『単独行動』、そして『結構男前』ということなのだ。
「んじゃこれを拳正さんに伝えればもう合格じゃないかな?」
花火はセンベイをかじりながら言った。さっき尋ねた家のおばさんから気に入られ、頬をなで回されてから大量のお菓子を貰っていたのだ。
「うん。そだね。じゃあ電話してみるよ。」
友美はそう頷き、からっていたリュックから携帯を取り出した。取り出すのに時間が掛かっていたが、やがてピンクに飾り付けた端末が見えた。開く。
「あっ、拳正さん?えっと、とりあえず情報集まりましたよ。・・・・はい。服装は・・・・・・・・。」
それからしばらく携帯を耳に当てたまま、とぎれとぎれながら話を続けた。
やがて友美の顔が輝き、「合格ですか!?」と告げた。
そして携帯のボタンをピッと押すと花火とハイタッチをした。僕にも手のひらが向いている。笑いながら友美の手を打つと軽い音がした。
「じゃあ、博人くん。友美。学校に戻るとするよ。正式な剣道部入部を祝いながらね。」
「うん。分かった。」「はい、戻りましょう!」
花火の号令一下、僕たちはきびすを返した。今日から僕も正式な部員かと思うとなんだか鼻が高かった。
すこし歩くと通りすがる人たちが何故か端に追いやられるような感じで歩いているのが見えた。道の真ん中を歩いているのは僕たちだけということになる。なんだか変だ。
「? どうしたのかな?車は来てる様子は無いしね。」
花火は周りを見回すと怪訝な顔をした。
「あれじゃない?地域で『道のはしっこを歩きましょう運動』的なものが開催されてるんじゃないかな?」
「・・・友美。そんなバカなイベントあるわけないだろ。まあ・・・・」
花火は口元に怪しい笑みを浮かべながら尚、周囲を見回した。
「ホントにそんなバカみたいな事が起こっていてもいいぐらい妙な雰囲気だね。」
そのまま花火はなりふり構わず歩き出すと、「行こう」と僕たちを横目で言った。
「あっ、ちょっと待っ・・・・。」
友美は言いかけて口をつぐんだ。その原因は僕にでも感じられた。