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Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! (Re:make) ( No.21 )
日時: 2012/08/03 11:07
名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: OXm6els4)
参照: 花火「久しぶり。作者はやっとテスト終わったよ。長い戦いだった。」

「ひゃっはー。久しぶりだなー。我が友空土よ。」
「友達に殺す気で竹刀向けるか?コノヤロー?」

モコ、と呼ばれた黒い男を睨み付けながら空土はため息をついた。今の男の少なめの言葉でも、十分に鳥肌が立つほどの凄みは含まれていた。

こうして直に向き合うと、圧倒感が全身からひしひしと伝わってくるようだ。さっきのニセカラスとは何かが決定的に違う。どす黒く、底の見えない「殺意」だ。
「ったく・・・。てめェのただの暇つぶしに何故俺らが動かねばならねェんだ?」
空土は緊張感の無い様子で首をコキコキとならす。
「拳正のヤローはカラスがおめェだって全く気付いてねェしよォ・・・。」
「ただの暇つぶしとはいうじゃねーか。まっ、どうでもいいけどな。」

そう言って呵々と笑った。笑っているけど彼の全身から「殺す」という信号が発せられているようだ。ようするに怖い。
「そだ空土。」
「んだよ黒男。喧嘩は御免だぜ?」
「ちげーよ。こいつは誰だ?」

モコと呼ばれた男が指さしたのはあさっての方向を睨んでる花火でも無く、弟の背中に隠れている友美でもなく、僕だった。
って僕ぅ?????

「ああ、こいつ?」
と空土は僕の手を引っ張って自分の元に動かせた。体勢が軽く崩れ、なすがまま、という感じになる。
もちろん、今体をまともに動かせるほど僕は肝が強くない。

「こいつは新入部員だ。ほれ博人。自分で言え。」
「ひぇ?」
頭にポンと手が置かれる。しょうがない。・・・・でも『新入“部員”』ということは———。まあ、いいか。
「一年の月島博人と言います。えっと、あの、なんていうか・・。」
「ひゃー。一年ね〜。だというと天才岡村花火様のライバルとなるのかー。そりゃ楽しみだ。」

うう、怖い。薄ら笑いがかなり怖い。雰囲気がかなり怖い。ヤンキーチックなファッションがかなり怖い。
「んで博人。こいつの名前教えてたっけ?」
空土は親指で男を差す。ぶんぶんと首を振る。

「こいつは『切妃亦紅(セイルヒ モコウ)』と言う奴だ。元剣道部のクレイジーだ。」
「“元”ですか・・・・?ということは引退生?それとも退部・・・?」
「惜しいが違えな。厳密に言えば・・・・・」

「———停学処分だよ。博人くん。」
それまで口をつぐんでいた花火がふと言った。どうやら花火だけ亦紅からの無言の威圧からは抜け出したらしい。友美はまだ後ろに隠れている。

「ひゃっはー。流石は天才こと花火さまだ!この俺から褒めて使わさあ。」
「嬉しくも何とも無いっスよ・・・・。」
花火はため息をついた。

・・・・いや。そうじゃない。中学は義務教育だろう。停学措置などあっていいわけがない。
「・・・・。で、あの、空土さん。どういうことですか?停学処分って・・・?」
「ああ、その話題続いてたんか?どうしても知りてェの?」
はい、知りたいです。僕は頷いた。だが、知らないで損をするほどのものでも無いだろうが。

「このモコ・・・・亦紅は少し前にセン公と先パイを殺っちまってな。普通だったら拘置所行きだが俺とケンの注力により学校だけ辞めさせる停学処分、なんだよ。これでOK?博人?」

はあ・・・。僕は頷いた。その反応に満足したように空土は笑みを浮かべて、亦紅の上腕を掴んだ。

・・・いや納得したらいけないだろう僕!!