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- Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【剣道部】 ( No.22 )
- 日時: 2012/08/03 11:10
- 名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: BUG11FhX)
「つーことでだ。モコ。一つ頼みてェことあんだが。」
「断る!」
「まァ。そう言わずに聞けや。」
空土は怪しく亦紅の腕を掴むと、不敵な笑みを浮かべた。当の亦紅は明らかに不快な顔をしている。空土の視線は何故か亦紅だけではなく僕や花火にも注がれている。
「今からなんだけど、俺らと一緒に武道場来てくんねェか?」
「ひゃーは・・・・。いいか?空土。俺停学処分。ガッコに立ち入り禁止なんだぞ?分かってんのか?」
「なにを最強のヤンキーが今更『ルール』などほざいてんだ?一般部員であるおめェに副部長の俺の言うことを拒む権利はねェ。」
「・・・・ひゃはー!空土。まさか俺にケンカ売ってんのか?」
一触即発。空土の言ってる意味が分からない。そもそも何故亦紅を武道場に来いというのか分からない。
「まさか!おめェにケンカ売る奴なんざフリーザ様以下ケンシロウぐれェなものだよ。《古い!!と僕は思った》ただ・・・・。」
「ただ?」
亦紅が聞き返す。
そこで空土は僕と花火(微妙に友美も入っている)をビシッと指さし、
「そこの一年坊主と二人と試合してくんねェか?いまいち俺が相手じゃ博人の実力が分かんなかったんでおめェと相手ならケンと俺も分かんだろ?ついでに花火とも。」
「「ふざっけんな!!!」」
ワオ!!花火と亦紅の声が見事にハモった。二人とも口元をゆがませている空土に詰め寄る。
「どうしてだ!空土副部長!亦紅さんと相手じゃどうなるか知ってるだろう!!」
「空土!チョーシこくなゴラあ!!俺がお前より劣っているとも口じゃねーか!闘りあうかこの野郎!」
襟を掴み前髪を掴み。二人にもみくちゃにされる空土。
・・・・なんだかおかしい。
「どうしました!何とか言って下さい副部長!」
「反省文を俺に提出しろ!!3000文字以上で!!」
と、二人の激昂しきった手が空土に伸びていく。とその時。本当にその時。ポケットから輪状に丸めたロープを取り出した。
「手荒な真似してすまなんだ。モコ。花火。」
「「はあ??」」
空土は二人の間を縫い、大きく足を踏み出しながらロープを持った手を振り抜く。ロープは複雑に絡み合い、巻き込み合い、花火と亦紅はあっという間にぐるぐる巻きにされていた。
「なっ・・・!」「へっ・・・!」
二人は身動きとれず、地面に倒れ伏した。それを嘲笑を浮かべて空土。
「ぶっちゃけただの殴り合いだったら俺がモコに勝てる可能性なんてゼロだよゼロ。だが、そっちから出てきて貰っちゃァ話は別だ。俺のカウンターをかわせる奴なんざケンの野郎と前代部長ぐれェなモンなんだよ。」
「つーことがどうした!」
亦紅が吠える。
「今のは剣道のカウンターの一種。ただおめェらが自分から俺に掴みかかってきたことが問題ってなことだ。」
空土は自由の身の友美と僕をちらり一瞥し、こう一言。
「さァて、武道場まで引きずっていくか!」