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- Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】 ( No.38 )
- 日時: 2012/07/23 11:22
- 名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: BUG11FhX)
突然の「クロスカントリー宣言」によって騒然、とはいかないまでも、結構皆うろたえているようだ。そりゃそうだろう。僕たちは剣道部だ。
「ほォ・・・・。ホントに楽しそうじゃねェか?拳正。隼威。だが、それをする意味を教えてくれ。」
腕を組んで、拳正を挑発的に睨み付けている空土。場の空気は凍り付いてはいなかったが、まあまあ息苦しかった。
「ああ、それを今から言うよ。よく聞いt「この企画は『次の大会でのレギュラー決め』と『部内での立場決め』を兼ねたものだ。」だから!僕にも言わせてよ。」
「それ俺と拳正がする意味あんのか?」空土は呆れ気味に言った。
「空土。キミは一年生を引っ張っていく役目なんだよ。言うなれば逆噛ませ犬。」
その喩えはおかしいだろう。なんだ“逆”って?
「では、今から始めるぞ。よーいスタート。」隼威は両手を打ち、パン、と言わせた。
「いや温度低っ!ちゃんと構えさせろ!」
空土のツッコミが終わらない内にもう花火は飛び出していた。早い。
「ちょっ!花火くん!早くないですか!?」
「当然だよ!こんな時ぐらい本気出さないと!!」
「いや、そういう問題じゃなくて!」
僕の声に花火はいったん止まり、振り返った。明らかに不機嫌そうな顔をしている。
「なんだ博人くん!空土副部長は僕らの事舐めてるんだよ!?悔しくないのかい!?」
「いや、そういう問題じゃ無くてって・・・言ってるでしょう?」
「じゃあどういう問題なんだよ!」
眉間にしわを寄せている。
「まだどこを走るかルートも聞いてないし、ゴールがどこさえも聞いてませんよ。」
花火は僕の言葉にはっとしていた。ようやく自分が間違っていたことが分かったらしく、照れ笑いを浮かべ、引き返していた。
もとのスタート地点に戻ると友美とあやめが駆け寄って来、
「まんまと一杯食わされたね!!」
「花火くんには似合わない汚らしい姿でした。」
と言った。弁護するが友美の言葉の使い方は間違っており、今の行動は向上心が燃えた結果だとフォローしておく。