コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】 ( No.39 )
- 日時: 2012/08/27 14:27
- 名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: BUG11FhX)
「・・・・・さて。期待のルーキーくん二人が節操を無くしたことは置いといてだね。」
アナタも言いますか遊楽先輩。ひそかにガンを飛ばすが生憎僕に目力は無い。
「ルートは簡単だよ。校舎を一週。ただそれだけ。だけど所々に拳正が設定した”試練”があるからね。それをことごとくクリアしていって貰いたいんだ。いいね?」
珍しく遊楽が隼威に喰われず長いセリフを言った。僕らから見たら祝うべきことだろうが、ここは静粛に進行させてあげよう。
「んじゃあここでスタートダッシュをかけた第一の試練!名付けて『スーパーアルティミットボンジョb「名付けて『BB弾を避けろ』だ。」最後まで聞こうと言う気はないの!?」
「うるせえよ。最後までいわなきゃいけないモノでも無いだろ?まあ、バカはほっといてっと。ほれ。あそこを見てくれ」
隼威は校舎の二階にある窓を指さした。パッと見、何も無い。・・・・いやあれは・・・黒い棒を迷彩柄の人間が握っている。・・・・ライフル?
「ああ。その通りだ月島博人。」
何勝手に他人の心を読んでるんだ?この人は。
「主校舎二階の第二視聴覚室の窓になんとびっくり仰天!これを聞いて驚「あそこの窓に狙撃部を配置している。そいつらから放たれるBB弾を避けりゃいいんだ。」もうさ・・・・・。」
遊楽を鮮やかなまでにスルーし、隼威は校舎を顎でしゃくる。どんどん目が遠視になれてきたのか、ゴーグルをかけた人たちがこちらに向かってライフル銃を構えている。
「えっ!?どれどれ?全然見えないよ!?」
「友美と意見が一緒になるのは癪だが、僕にも見えないな。」
花火と友美は目を細め、手を額のあたりでかざした。
言い忘れていたが僕は視力、聴力など感覚器官がことのほか優れているのだ。数値にしたら視力:3,0。聴力:問題無し、だ。後者はあまりすごさが伝わりづらいが。
「まあ、いっか!」
と突然開き直る遊楽。何がいいのだろうか?
「そんじゃとりあえず始めようや!初回のチャレンジは・・・空土行ってみる?」
「あ?俺?」
「そうだよ。後輩に格好いいとこ見せれるようにね!」
「あはっ。いいよ。始めようぜ。」
空土はいつもの薄ら笑いを浮かべながら肩を回す。着ている制服をハタハタとはたき「お願いすらァ。」と言った。
「その意気や天晴れ!えっと・・・・?」
遊楽はそう言ってポケットをガサガサまさぐる。さっきの拳正と同じように見つからないのか体中を軽く叩いて探している。
「おい。遊楽先輩?」
拳正は黒くて四角い物体を差し出した。「トランシーバーだ。」
「おお!サンキュー!どこに忘れてたっけ?」
「どこも何も・・。最初から俺が持ってたのだが・・・。まあ、いい。続けろ。」
今の会話で気付いたのだが、拳正は呼び捨てまでは行かないものも、遊楽にはタメ口でしゃべっており、隼威には敬語だ。それに対し、空土はどちらにしろ呼び捨てタメ口だ。まあ、異常を感じるほどの差異ではない。
「それじゃ射撃部の方ー?お願いしまーす!」
と遊楽は無線を使わずに叫び、右手を大きく挙げて合図にした。それが通じればトランシーバーなど必要ないだろう。
だが無事届いたらしく控えめの乾いた銃声が聞こえた。
——見える。放たれたBB弾が正確無比な弾道を描いて空土に向かっていくのが見える。
そして当の空土は、
いつか見た赤い線を作る瞳と凛々しい顔。