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Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】 ( No.40 )
日時: 2012/07/26 15:21
名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: kG6g9hX2)

空土は足を前後に開き、心持ち体を横に向けて、重心を後ろに置いた体勢となる。不敵な笑みを浮かべながら、飛んでくるBB弾を自分へ引きつける。引きつける。「待つ」。少し前に空土が自分の剣道のプレイスタイルをこう表してしていたのを思い出した。

そして、弾と自分との距離が2mほどに近づいたその時、ようやく空土は動いた。思いっきり体をひねり、右足を伸ばして振り抜く。ようするに玉をテコンドーの如くキックした形だ。

当然、蹴られたBB弾は左側にまっすぐ飛んで行く。・・・・空土の左側にいたのは,
「痛いじゃないか。空土?」
拳正が頬を押さえながら空土を睨んでいた。BB弾は彼の右頬に当たったようだ。湯気立つ怒気が拳正の周りに漂っている。

「あァ、当たったか?済まねェや。」
「済まねェで済むと思ってるのか?わざとだろコラ。」
「まァわざとじゃねェっつったら嘘になんな!」
「今すぐ死ねよお前。」

静電気すら見える視線を空土に送る拳正に、飄々と笑う空土。この状況を見て、心が動じなくなった自分にも恐怖を覚えた。危険を感じなくなると、豚もマグマに突っ込む。ふう怖い怖い。

「謝っからよ。次おめェがしろやケン。」
空土の挑発を込めた言葉に拳正の眉がピクリと動く。爆発寸前だ。

「ああ、いいだろう。お前と俺。どっちが優れてるか証明してやるよ。」

拳正は言って、「どけ」と空土を押しのけた。一触即発。ケンカをするなら僕に被害を与えずに。すると空土が視界の端で携帯を開いた。不吉な予感。ピピピとダイヤルし終わると端末を耳に当てた。

「ああ、佐藤か?おめェさん『兵器研究会』の会長だろ?あのことを全校に知られたくなけりゃ今すぐ主校舎二階の視聴覚室に手榴弾半ダースもってこい。いいな!?」

との様子で一方的にまくし立て、携帯を閉じた。そして拳正の方を向き、笑顔で言った。

「これでいいだろ?」「いいわけないだろォォッ!!」