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- Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】 ( No.41 )
- 日時: 2012/08/27 14:43
- 名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: rYvWlEkT)
視聴覚室に物資が無事届けられたらしい。まあ、発想を逆転すると「無事」届けられたっていうのは、僕たち剣道部にとっては全く「無事」ではないのだが。10mほど拳正から離れておく。
要するにだ。空土はBB弾の代わりに小型爆弾を発弾してもらおうと考えているのだ。それと拳正が避ける。イコール拳正には当たらない。イコール僕たちに着弾する可能性大。危険この上ない。
「おっと、博人。そんなに離れなくとも大丈夫だぜ。俺らの尊敬すべき拳正部長は部員の身を第一に考えてるはずだからな。」
空土はニコニコしながら言う。悪魔かお前は。
まあ、僕もこの言葉の意味が分かるという事はそれほど現代社会に毒されているということだろう。
「・・・ふっざけんな!!!」
拳正は空土の胸ぐらを掴む。空土と拳正は10cm以上の上背の差があり、こう並べて見ると空土がかなり頼りなさげに見える。・・・まあ、頼りない人がこんな悪行をするとは思えないが。
さっき空土が言った言葉の意味はこうだ。『俺らの尊敬すべき拳正部長は部員の身を第一に考えてるはずだからな』「拳正なら自分の身を犠牲にして部員に火の粉をかからせない」ということを強要したのだ。ということは「拳正お前被弾しろ」
身の毛もよだつ言葉だ。親の顔が見てみたい。
一方、胸ぐらを掴まれていた空土は
「何だよ?不満でもあんのか?」
「ありまくりだ!キサマ他人の命をなんだと思っている!?」
「いや〜ケンがいなけりゃ剣道部も平和だと思ってな〜。」
「お前が一番非平和だ!!」
激昂し、一層顔を近づけて拳正が怒鳴り散らしたその時だ。
「苦しーぜ?デカブツ?」
空土の体が下に沈んだと思えば、空土の背中に沿って拳正の大柄の体がくるりと宙に舞い、一瞬の内に地面に叩きつけられた。
「痛って・・・・」
拳正はうめき声をだす。今のは柔道の「山嵐」という高等技だ。何故そんな技が出来るのだ? というか何故僕がこんな技を知っているのだ?
仰向けになった拳正に空土は笑って言い放つ。
「グッバイマイフレンド♪三途の川で平泳ぎでもしてろ。」
と共に、右手を挙げ、
「射撃部の皆様ー!お願いしまーす!」
空土が非情にも合図を出した。同時に放たれる手榴弾。確実に拳正一点だけに落ちてきている。
「チッ・・・・。コノヤロっ!」
拳正は急いで立ち上がり、ジャージの袖をまくり上げた。たちまち、バッキバキのゴツい筋肉が顔を覗かせた。
「オラア!!」と雄叫びを上げ、振ってきた手榴弾をラリアットのような形で強く打ち上げた。4階建ての主校舎屋上近くまで吹っ飛び、爆発した。幸い、被害はゼロのようだ。拳正が無事だったことに空土は少し悔しそうな顔をする。いや、ダメだろ。