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- Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】 ( No.45 )
- 日時: 2012/08/06 10:24
- 名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: OXm6els4)
花火の策とはこういう事だ。視聴覚室から放たれたストロベリー味の飴玉の臭いを食べ物に迅を極める灯が嗅ぎ、位置を判断し、司令塔なる花火に伝える。「○○、しゃがめ!」などと指示を出すのでそれに従うだけ。単純過ぎる作戦だが、単純なほど成功率は高い。
「じゃあ、準備はいいかな?」
「はい、OKです。」
代表して友美が応じた。
「にゃはっ!いまのは『いいとも〜』っていうところだったよ。」フワフワと宙返りをしながら言った。
「黄色・・・・?空気崩れるから口閉じて貰ってもいいかな?」
「にゃはっ!いいとも〜」
「吹っ飛ばすよ先パイお二人?」
花火は明らかに不機嫌そうな声を出した。僕も同じ気持ちだ。三年生のやりとりなどどうでもいい。
「遊楽先パイ・・・このままじゃ差が開く一方なんで早く。」
「ああ、ごめんごめん。では」
遊楽はトランシーバーを口に当て、「お願いしまーす!」
すると遠くに見える銃を持った人影がゆるりと構えた。初動確認は僕の役目だった。
「来ますよ灯さん!」
「うん!!」乾いた銃声が響いた。
灯は鼻をくんくんとひくつかせる。長い間嗅いでいる時間は無いと悟ったのか、すぐに顔を上げた。そして言った。「いっただっきまーす!!」あんぐりと口を大きく開け、彼女は跳んだ。高速の軌道で飛んでくる飴玉を絶妙に見極め、やはり口の中へ・・・・とはいかなかった。
「はしたない。」
跳び上がった灯の顔をあやめはわしづかみにし、力で地面にねじ伏せた。飴玉は背後を無事通り過ぎていった。誰にも当たっていない。試練完了。
「なにするの〜あやめ〜。痛い〜。」
「何するって、乱暴しただけです。」あやめは眼鏡を押し上げた。鋭い眼光が光る。恐ろしい。
「だいたい、銃身の中には有害な油で満たされてるのです。食中毒で何も食べられなくなりたいのですか貴女は?」
「っていうか!そういう例よりもさ!!」
じりじりと灯に花火が詰め寄る。絶賛激昂中。
「あんな速さで飛んでくる飴玉なんてどうやって食べる気だったんだい!!?250m/hを優に超えるんだよ!ノド貫通するかも知れないのさ!」
「・・・・・貫通は・・・しないと・・・思う・・・・。」
「そこは突っ込まなくていいよ雪乃さん!」
「ちょっと皆さん!落ち着いて。」
ほおっといてもらちがあかない。僕はなだめ役に入る。
「とりあえずは試練合格ですよ!早く行きま・・・」
「そんなんはいいの!!」
花火に思いっきり睨まれてしまった。これも灯のせいだ。