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Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】 ( No.46 )
日時: 2012/08/21 13:29
名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: rYvWlEkT)

無事スタートして2分ほど経った。校舎の裏に入っており、並列して植えられた青桜が風に揺られてはらはらと揺れている。まあ、息を切らしながら駆けている今にそんな風流な事は似合わないが。
花火の拳正空土に対する対抗心によってほぼ強制的に走らされていた。二列に縦隊し、今のところ同じペースで走っている。ちなみに黄色はフワフワと浮かびながら僕たちに付いてきている。

「・・・っていうか、この企画本当に拳正部長が考えたのかな。それにしては意地が悪すぎるよ・・・。」

花火は足を動かしながらも不平そうに零した。本当に激しく同意。僕のみならず後ろで付いて居ている女子も頷くのが見えた。

今さっき、第二の試練をクリアしたばかりなのだ。その名も「Let's!蜂から just away!!」
名付け親は遊楽。センスが悪夢だ。※just away(すぐ逃げろ)

黄色が念動力で並木に付いている蜂の巣を刺激する。あとは勝手に黒と黄に染まったミクロの殺人集団が僕たちを追いかけてくるのでそれを逃げる。ただそれだけだったのだが、かなり疲労していた。

「花火ー。ちょっと休憩しない?疲れたよ私。」
息も絶え絶えといった様子で友美。わざとらしいため息をついて花火が振り返った。
「そんな時間あるわけ無いだろ!?出来るだけ部長副部長コンビに差を縮めるんだから!」
「そんなこと言ったって・・・・。結構きついよ?」
「仕方ないな・・。じゃあ今から少しだけ歩くよ。それでいいだろ!」

そう言って花火はペースを落とした。やっと一息つける。振り向くと灯はポケットからロリポップキャンディーを取り出していた。油断は無い。いつの間にか遊楽は遅れていて僕たちに追いつくと止まり、膝に手を付いた。

「結構ペース早いじゃないか・・・。流石現役だね・・・・。」
「当たり前ッスよ。毎日拳正さんにしごかれてますから。」

花火は何でもないような顔をした。そう言うか。部活を『普通』に真剣にしてる人は花火と拳正しかいない。他の部員は全員、空土が考えたかなり斬新な個人メニューをこなしているのだ。それは結構楽だった。

例えば、竹刀の代わりに枯茎を使う(曰く、スピードに慣れるため)とか、鉄棒の上を目隠しをして歩く(曰く、バランス力強化らしい。結構危険)とか、昼寝中の拳正の顔面に落書きするとか(ただの空土の趣味の肩代わり。友美がしくじり、拳正が目を覚ましたが、彼はまっすぐ空土のもとに行き、昇竜拳を喰らわせていた)などだ。というか決してマシではない。