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Re: 【真】ツキシマヒロトの愉快な部活! 【Re:make】 ( No.47 )
日時: 2012/08/21 14:41
名前: 藤田光規 ◆bh.mYRAeMo (ID: rYvWlEkT)

「へ〜。あんがいいちねんせいもやるもんだよね。あしがぼうのようだよ。」黄色が宙に浮かびながら自分の足をポンポンと叩いた。あなたは常時浮遊して足使ってませんから。

「そうだね。拳正と空土と亦紅の一年生のころを彷彿とさせるよ。」遊楽の声に花火の目が激しく光ったような気がしたが気のせいだろう。友美は口を尖らせて言った。

「へ〜あの三人に一年生のころがあったんだね〜。」

「あるに決まってるだろ?・・・まあ、気持ちは分からないでもないけどね。」

「その頃ってどうだったんですか?あの三人は。」

「ええーとねー。」あやめの質問に少し遊楽は口ごもる。「あの頃から天下御免って感じだったよ。僕ら先輩の事なんかこれっぽっちも尊敬しないからね。」言って遊楽は片目をつぶり人差し指と親指でかなり小さな幅を示した。ていうかほとんど開いていない。それほど、だろう。僕は憐憫を垂れる。

「空土さんなんか先輩も呼び捨てタメ口ですもんね。」「呼び捨て、というかあだ名だよ。『ユラ』とか『ジュン』とか。」

「ぼくはまんま『黄色』だよ〜。」そうですか。あえて黄色に相槌を打たず、あさってを向いた。すると、花火の声。

「さあ、もう休憩は十分だろ!スパートかけるよそろそろ。」「「えええ!!」」

ここだけ今までバラバラだった灯や詩子たちと心が合わさった。っていうか雪乃さんいたっけ?

強制的に駆け足になることになった。しかも花火から理由不明の無言の圧力により、僕は否応なくそれなりのペースで走らされることになった。みるみる内に女子や三年(黄色は物理的に浮いているため速度は不定)と距離が開いていく。

「ちょ、ちょっと花火くん?早くない?飛ばしすぎでしょう?」「このくらい出さなきゃ空土さんには追いつかないよ!」と叫び、スピードを緩める気配はない。もう僕も歩こうか?と、その時だ。

「だ〜もうみてらんないや!」黄色は僕たちの目の前までひゅんと飛ぶと着地した。なにをやらかす?それから両手をバッっと開いた。・・・・・だが、僕たちの身には何も起こらない。花火も唖然としたらしく目を見開いている。

「・・・・黄色さん。今何やったんですか?」「「にゃははっ!知りたいのなら上見てよ上。」「「上え!??」」

黄色に上を示され、素直に天を仰いでやった。すると、だ。

「うわあ!花火!私浮いてるよ!」「なんですかこれは。ニュートンの努力がまるでパアですよ。」「・・・・うわ・・・高い・・・・。ひこう・・・タイプ・・か。」

女子全員が僕の頭上でフワフワと浮いていたのだ。「なんとびっくり仰天!大驚愕!」というよりも「いくらなんでもダメだろう」という方が大きい。流石は非日常が日常のこの世界だ。

「・・・・なんのつもりなんスか?黄色先輩。」

「きもちよさそうでしょ?ひとのこころもかんがえないきみらにはしてあげないからね〜。」「羨ましいなんて思うかあ!!」花火が叫んだ直後、いきなり、遊楽が「ストップ!ここらへんで第三の試練だよ!」と手で収めた。

「浮かせた意味あります?黄色さん。」

「にゃははっ!ないかもね!」「・・・・・。遊楽さん。御進行を。」「ああ、分かった。あれを見てくれよ。」遊楽が指を指す。そこに視線を移した。

「第三の試練、アリジゴク!」広がっていたのは地面が大きく抉られた地形。言うなればクレーターだった。