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Re: *歌えない人魚姫* ( No.55 )
日時: 2012/08/04 18:08
名前: マリン ◆eVFVquZhMQ (ID: iAb5StCI)
参照: ついったーは【@nekonana37】で!

第七話        不思議な家



私は走り疲れたので座り込んで海を見ていた。
ここは……本当に誰もいない。

家がぽつんと合ったけど何も聞こえないし……。

いいんだけどね……幸せだし。

「きゃっきゃっ」

と思っていたら声が聞こえた。
姿も見えた。


嘘……人!?
私は立ち上がって目を見開いた。

怖い、恐怖で動けない。
助けてっ……と心の中で必死に願う。

暫くすると人は行ってしまった。
その途端力無くへなへなと座り込んでしまった。

背中に冷や汗が伝う。
ここはっ……人間の世界なのっ……!?

やだっ……殺されちゃう……!
逃げないと、早く逃げなきゃ!

『どこへ逃げるの?』

とにかく逃げなきゃ!

『逃げ場なんかないくせに』

あの家に!

私は全速力であの家まで走った。
扉が開いていたためそのまま家の中まで走り、鍵を閉めてしまった。


よかった、ここには誰も居ない。

……その家の中は机がいくつかあって、台所があって……後階段。

台所に檸檬が置いてある……。
ああ、喉乾いたなあ……。

食べていいかな……。

頭では迷うけど手は勝手に手を伸ばしていた。
そして皮も剥かずにそのままかぶりついた。

皮苦っ! 酸っぱい!
はちみつと一緒に檸檬が置いてあったためそのはちみつをかけた。

甘い……。
優しいはちみつの味と酸っぱい味が入り混じって美味しい。

(なんでナナがはちみつを知ってるかは仕様です)

海藻しか食べてなかったから……。
ほんとに美味しいや……。

とか思い、少し幸せに浸っていると。

ガチャン

という扉が開く音。

「!?」

そうか、ここは人の家だったんだ!
よく考えれば分かったじゃないか!

ど、どうしよう……。
逃げ場がもうないっ!

檸檬とはちみつを落とし、私は近づいてくる足音にただ恐怖を感じるしかなかった。