コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 七色きゃんでぃー ( No.1 )
- 日時: 2012/06/09 10:40
- 名前: 生卵。 (ID: DIefjyru)
- 参照: http://id12.fm-p.jp/392/genmaitya51/
□わんすとおりい
ピピピピピピ
カーテンの間から洩れる光がまぶしくて布団に戻る
そうすれば次は目覚ましが煩く鳴り出した
「眠い、眠い、ああうあでゅくし」
八割方寝ぼけた頭で呟いた言葉の最後はもはや変な呪文と化していた
寝癖でぼさぼさになった髪を雑に結べばまだ少しだけひんやりする床に足を付けた。
「うーん、良く寝た」
小さく欠伸をする。
時間は六時をちょっとすぎている。
「汐梨、起きたー?」
階段の下から聞こえる母の声に起きてるなんて返事をするのは面倒だった。
かといって無視し続ければ部屋まで上がってくるから早めに部屋を後にして階段を下りていく。
「起きてたなら返事くらいしてね」
机の椅子に腰を掛けるなりかけられた言葉に適当にはーい、と返事をしておいた。
机の上に置いてある朝ごはんの目玉焼きに醤油をかけるのはいつものことだ。
「いただきまーす」
いつも通りの日常。
楽しくて退屈で忙しい、そんな毎日はこの東条汐梨にとって一番の幸せであった
「いってきまーす」
ぼさぼさになった髪は綺麗櫛でとかされてまとめられ黒のブレザー姿の制服で家を出た。
まだ少し冷たさの残る風は暖かい日差しのおかげで心地よく感じれた
学校まで歩いて15分程度な為慌てる必要はない
途中まで来るとこの学校の生徒が増えてくる。
焦ったように走っている人も、友人と仲良くお喋りしている人もいる
「おっはよおおう!」
ドンッ
そんな音がして少しだけ腰あたりに鈍い痛みを感じた。
さらさらと綺麗な金髪が少し眩しくも感じられる。
「リデルちゃんおはよう、また走ってきたの?」
「うん!汐梨ちゃん朝いつも早いんだもん」
口をとがらせて言われると汐梨は苦笑いを浮かべた。
早いとは言っても普通の登校時間のはずなのだが
「それよりさあ今日私日直なんだけど、すっごい面倒」
「そんなこと言ってちゃだめだよ!私も手伝うから、ね?」
汐梨が軽くデコピンするとリデルは額をさすりながらコクリ、と軽くうなずいた。
実際の年齢より性格が少し幼いリデルが汐梨にとっては妹の様でかわいかった
しかし自分の言った言葉に汐梨は少し後悔した。
学級委員長である汐梨には何かと仕事がたまっているのだ、あまり人を手伝っている余裕がないのは当然のことだった
(せめてあいつがもう少し手伝ってくれる奴だったらよかったのになあ)
副学級委員長の顔を思い出して少し深いため息をつき少し重くなった気がする足で校門をくぐっていった。