コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 七色きゃんでぃー ( No.15 )
- 日時: 2012/06/10 03:59
- 名前: 生卵。 ◆l5afVy7QjU (ID: DIefjyru)
□つうすとおりい
「おはよう」
「はよー」
眠たそうに欠伸と背伸びをしながら巧を見て汐梨は苦笑いした。
巧が昔から変な面倒臭がりなのに変なところ真面目で家を出る三十分前には準備を完了していることを汐梨は知っていた。
「何だってこんな時間に迎えに来るんだよ」
「昨日課題手伝ってあげたでしょ?それから合間まで放棄した仕事文これからみっちり働いてもらおうと思ってね」
「悪魔だ」
汐梨が家を出る時間より巧が家を出る時間は十五分程ずれている。
しかし今日は汐梨が朝いきなり巧の家に向かうと言ういつもと違うことが起きていた。
いつもより幾文も気分のよさそうな汐梨に巧は首をかしげるばかりだった。
「おっはよおおう!ってあれ、井之上君?」
汐梨に抱きつこうとしたリデルは巧の姿を見るなり踏みとどまった。
いつも見慣れない光景に少し疑問に思いながらもリデルの気分はどんと落ちて行った。
「おはようリデルちゃん、巧は今日から一緒に行くことにしたの」
「はっ?!ちょっと待てお「だよね?巧」はい」
ニコリと笑いながら汐梨は言った。巧は慌てて訂正しようとしているようだったが汐梨に遮られた。
リデルは頬を膨らまし拗ねた表情のままそっぽを向いてしまった。
「リ、リデルちゃん?どうしたの」
自分で訪ねた後に汐梨は自覚した。
そう、リデルは男嫌いだったのだ。
(私ってば何してるんだろう、リデルちゃん男嫌いなのに…)
一人で焦りながら考える汐梨を横目に巧はリデルに嫌われていることも知らず二人の反応を不思議そうに見ていた。
教室に入るまでリデルは一言も話さなかった。
ただ拗ねたまま机に座って本を読み始めてしまった。
「はあ…馬鹿、私」
「なあなあ汐梨、あのリなんちゃらって言うやつ機嫌悪そうだったけどどうしたんだよ」
「リデルちゃん、リデル・ブラックモア。男嫌いなのよ」
「げっ馬路かよ…」
落ち込み机にっ突っ伏す汐梨にわけのわからない巧は事情を聴いて眉間にしわを寄せた。
「あーあ、ってそれよりこれ先生に届けなきゃだめだよ」
朝、出席名簿を職員室まで提出するのは委員の役目だった。
二人でガタリ、と席を立ち職員室まで向かった。