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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 七色きゃんでぃー ( No.17 )
- 日時: 2012/06/10 13:52
- 名前: 生卵。 ◆l5afVy7QjU (ID: T3.YXFX2)
「じゃあこれを会議室まで運んでおいてくれ」
巧と汐梨はこの人が担任になったことをひどく後悔した。
他の先生と違って頼む量が多すぎるのだ。
「そ、それじゃあ失礼しました」
書類を抱えてそそくさと職員室を後にした。
「はあ…今はこんなことしてる場合じゃないのに」
その場にうずくまるように座り込み頭抱する汐梨を見て巧は浅い深呼吸をした。
汐梨はただリデルの事が気にかかっていた。
「とにかくこれを運んで早く教室戻ろう、会議室はすぐ近くだし」
「そうだな」
お互いを見合い頷くように合図を取る二人。
それと同時に書類を分担し、会議室まで小走りで向かっていった。
「今日は授業に間に合ったね」
「俺なんか昨日怒られたけどな」
教室の前に立ってそんな他愛もない会話をしていた。
そして汐梨はリデルのもとへ向かっていった。
「リデルちゃん、今朝はごめんね…悪気があったわけじゃないの」
遠慮がちに、しかしはっきりとした口調で汐梨は謝った。
リデルは汐梨の方を見て二、三秒無言だったがニコリと笑顔を見せた
「良いんだよ、私も今朝はちょっと怒りすぎちゃった…ごめんね」
リデルの口調はいたって明るく、怒りを感じさせなかった。
汐梨もそれに安心したように顔をぱっと輝かせていた。
「あ、そうだ。私井之上君に謝りたいから放課後二人だけにしてもらえる?誰か居ると緊張しちゃって…」
申し訳なさそうな顔をしながらそういってくるリデル。
男嫌いが克服できるかも、そう思った汐梨はそれを二つ返事でOKした。
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