コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 七色きゃんでぃー ( No.18 )
- 日時: 2012/06/10 14:20
- 名前: 生卵。 ◆l5afVy7QjU (ID: T3.YXFX2)
「っとーいうわけで、巧!放課後宜しくね」
「いやいやいやいやちょっと待て」
明るい笑顔で親指を立ててくる汐梨に巧は漫才のツッコミをするように汐梨の肩周辺をぺしんと叩いた。
巧の反応に納得いかなそうな汐梨に巧は額に手を当て一度深いため息をついて説明を始めた。
「いいか、まずリデルは男嫌いなんだろ?いきなり二人きりなんて無理だろ」
「そうかな?」
「そうなの!」
「それに謝るならお前も一緒にいたほうがいいだろあいつの性格的に」
確かに、と汐梨は自分の顎に手を当てながらうなずいた。
しかしここはリデルの意思を尊重すべきだ、そう考えた汐梨は巧が首を縦に振るまで休み時間ずっと粘った。
帰りのHR終了後、巧は不承不承と言った感じで首を縦に振った。
「じゃあ私は今日は仕事も特にないから私帰るね」
「は?!ちょっ待てよ」
「なんで?リデルちゃんと二人で話すのに私が居る意味はないでしょ」
気になる、その好奇心を押さえつけて汐梨は引き留める巧を振り払い家に帰った。
巧は仕方なく教室でリデルを待った。
「んー…ってやばい寝てた!」
「嗚呼、やっと起きたのそのアホ面いつまでさらしてるのかと思ったわ」
気が付けば椅子の上で寝ていたことに気が付く辺りを見回す窓の外はもう日が暮れていた。
教室の奥でとげとげしい声が聞こえる、ぼやけた目では逆光で誰だか認識できない。
目をこすってから数回瞬きをして声の主をよく見てみる。
金色の髪に水色の瞳、教室で見た時とは雰囲気がまるで違ったが確かにリデルだった。
巧はあまりの態度の違いに驚き椅子から落ちそうになった。
「あはは、井之上君かっこわるい」
無邪気に、いつものような声で言ってくるがその声に含まれる感情はあまり良いものではないと巧は確信した。
「汐梨に言って二人だけで話したのも俺に嫌味を言う為だけかよ」
「まさか、そんな訳ないじゃないそんな事のためだけにあんたに費やす時間なんて持ってないのよ」
巧が汐梨、と言った時にピクリとリデルの表情が引きつった気がした。
しかしこうも心がそんなに広い訳では無い流石に苛立ちを隠せなかった
「だったら俺はもう帰るぜ、お前と一緒に手も不快になるだけだ」
「それは私も同感よ、でも人を待たせておいてそれはないんじゃないの?」
薄ら笑みを浮かべながらリデルに言われたことは確かい正しかった。
呼んだのこそリデルではあったが一応巧が起きるまで待っていたのだ。
「じゃあお前は結局何がしたいんだよ」
「——っ…汐梨ちゃんと仲良くしないでって言いたいの」
「は?」
そっぽを向きながら言ってくるリデルに巧は拍子抜け、といった具合にぽかんと口を大きく開けた。
それを見て恥ずかしく感じたのか近くにあったバケツをリデルは巧の顔面にhitさせた。