コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 七色きゃんでぃー ( No.21 )
- 日時: 2012/06/10 17:14
- 名前: 生卵。 ◆l5afVy7QjU (ID: T3.YXFX2)
「着いたぞ…」
「わ、分かってるわよ」
汐梨の家の前でやや疲れ気味な表情の二人。
リデルは腹をくくりインターホンを押した。
ピーンポーン
無機質、機械的な音が小さく聞こえる。
ドアの付近でパタパタとスリッパの音がかすかに聞こえる気がする。
ドアを開けたのは汐梨だった。
汐梨は並んでいる2人を見ると仲直りしたのだと思い笑顔を見せた。
「二人とも仲直りできたの?とにかく上がって」
「え、いや俺たち別に仲直りとか…いや、何でもない」
これ以上話をややこしくするのも面倒だったためおとなしく汐梨の家に上がった。
汐梨の部屋に着くとリデルの瞳はキラキラと輝いていた。
「実はリデルが話があるって」
巧の妙に緊張感のある声に汐梨の表情は自然と真面目になっていく。
リデルも先程とは違い少し険しい顔をしていた。
「じ、実はね…」
今までのことを話すと汐梨の目は少し涙ぐんでいた。(リデル黒い性格を話そうとした瞬間巧は横腹を思いっきり殴られた)
怒っているだろうか、そんなふうに思いやや怯えながらリデルは汐梨を見ていた。
しかし次の瞬間汐梨が行った言動はそれとはまるで違うものだった。
飛び込む勢いでリデルに抱きついて頭をなでている、
リデルも初め自分の身に何が起きているのかわからず呆けていた。
「言ってくれればよかったのに、私がリデルちゃんを置いて何処かへ行くなんて有る訳無いじゃない」
そういわれるとリデルはうれしそうに照れて汐梨に抱きついていた。
巧はそれを見て疎外感のようなものに近い何か変な気持があった。
(汐梨の過保護癖って言うか変なのが移ったのか?)
一人で首を傾げていた。
それから汐梨の気持ちの高ぶりが収まるまで随分とかかった。
勿論リデルは幸せそうだったし巧に至ってはベットで横になっている始末だったので誰も迷惑していないのだが。
「リデルちゃん、もう時間遅いから帰らないと」
「あっ、そうだね!じゃあまた明日ね」
そういってリデルは汐梨の家を後にした。
汐梨は部屋に戻るとベットで寝ている巧を起こした。
「巧起きてよ、いい加減あんたも帰らなきゃダメでしょ」
「ん…」
巧は眠たそうに欠伸をしてから伸びをした。
「じゃあ俺帰るわ、あー眠い」
「ゲーム遅くまでしてないで早く寝なさいよ、おやすみ」
玄関まで送ってから汐梨も課題に取り組むため再び部屋に戻った。