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【普段は言えない事】 ( No.35 )
日時: 2012/06/16 22:29
名前: 狼鳶 ◆InzVIXj7Ds (ID: pVoFPF2t)

【普段は言えない事】



朝、行き成り華(ハナ)が俺ん家にやって来たのかと思ったら、直ぐにキッチンへ直行。
訳が解からない俺は、華に「どうしたんだ」と質問した。


「ん〜、何となく料理をしたかっただけ(笑)」


—— ……なんだそれ。まぁ、華の料理は美味いからそのまま作らせてるけど。


暫くしてキッチンから華の声が聞こえてきた。
どうやら料理をしながら口ずさんでいるらしい。
歌詞が分からないのか、所々鼻歌雑じりだ。

そんな所も可愛いと思った。普段は言えないけどな(笑)


「何ニヤついてんの?」


そんな事を思っていたら、突然 背後から声がした。


—— 華、いつから居たんだよ。


「ねぇ、聞いてる?」
「あぁ 聞いてる、聞いてる。何でもねぇよ」


首を傾げる華。くそ、可愛いじゃねぇか。


「で、料理は出来たのか?」
「あっうん! 出来たよ、完璧だよ!(笑)」


ちょっと待っててね、と言って料理を取りに行った。

「おまたせ〜」という声と共に華が料理を持ってきた。
その手には大きな皿に、大盛りのパスタ。


「お前どんだけ作ってんだよ」
「あははは〜、作り過ぎちゃった?」
「『ちゃった?』 じゃねぇよ! どんだけだよコレ」
「まぁまぁ、全部食べられるって、これくらい。だって……」


—— ん? な、何だこのしんみり感は。ももももしかして別れ話か!?
別れるから最後に一緒に食べよう的な感じか!?
やべぇ、早く何か言ってくれよ華! オイ何か言ってくれよ!


「だって……今日は初デート記念なんだもん!!」
「…………はい?」
「だからー、今日は初デート記念なの!」
「……まっ紛らわしいなぁーオイーー!」


ガクッと項垂れる俺。ホント紛らわしい……。
そんな俺とは裏腹に、とても楽しそうな華。
俺は楽しそうな華の腕を引っ張り、抱き締めた。


「わわっ! どうしたの!?」


行き成りの事でビックリしている華。目が点になっている。
理由は言わずに、華の頬を引っ張る。柔らかいな、なんて思ったり。
華は「痛いよー」なんて言ってるが、顔は笑ってる。


「……料理は温め直せば良いか」
「え? 何て?————」


「いただきます」







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【後書き】

料理ネタです。料理良いですよ〜料理。
私は食べ専ですけどねっ!(笑)
普段は言えないんだけど、内では「可愛い」とか「愛してる」とか
思ってるのって良くないですか?
……私だけですね、すみません。。。
しかしまた裏に突入しそうになりましたよ。
直前で止めるのが好きなんですね、私(笑)

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