PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 【②】 ( No.6 )
- 日時: 2012/06/15 21:02
- 名前: 狼鳶 ◆InzVIXj7Ds (ID: pVoFPF2t)
【②】
「おれ、おっきくなったらみさきとけっこんする」
「うん! みさきもあきらとけっこんするー!」
「だからおっきくなるまでまってろよー」
「うん、まってるよ!」
・‥…━━━
「——っい、——っおい、——おい、起きろ」
「い゛、いったぁー」
どうやら寝ていたらしい。おでこが微かに痛い。
「お前……涎付いてるぞ」
「えっ!? どこに!?」
「嘘だよ」
「え」
まんまと騙された私が面白いのか、彰良は笑っている。
そんな彰良に消しゴムを投げた。
「あっぶねえー。何すんだよ美咲」
「自業自得よ」
もう一つ修正テープを投げようとすると、彰良は「待て!」と手を前に突き出す。
「そうだ。私、さっき夢見たの」
「ふーん、何の?」
私が投げるのを止めた事にホッとしているのか、彰良は安堵の様子を浮かべながら聞き返した。
「うーん……彰良が巨大マ●オになる夢?」
「はぁ?」
「嘘ウソ、冗談よ」
「……さっきの仕返しかよ。で、ホントは何の夢見たんだよ」
「えー教えないよ。内緒」
うん、教えない。と言うより、教えられないよそんな約束。
多分彰良は忘れているんだろうなぁ。まぁ、私も夢見るまで忘れていたんだけどね。
『おっきくなったら』って、今はその『おっきくなったら』の時なのかな?
だったら、その約束は叶わず仕舞いだね。でも良いの。だって今の関係が一番だから。
この、『幼なじみ』という関係が。
Next→
PR