夕日が傾いている。明るく染まった、二人だけの教室。君の目が、逆光で見えない。君が口を開いた。私には、君が今から何を言おうとしているのか分かっていた。チャイムが鳴った。君の詰まり詰まりの曖昧な言葉がかき消される。どうかこのまま、鳴り止まないで。 君との関係が終わりになる言葉を、聴きたくないの。窓から見える夕日。二羽の烏が、二手に分かれて夕日に呑まれていった。